乳滴/2016年5月1日号
提言の作成過程も問題
規制改革会議農業ワーキンググループ(WG)の提言が3月末に公表されて以降、酪政連、指定団体などの酪農乳業関係者から制度の廃止反対・維持の声が次々に挙がった。同制度が果たしてきた役割・貢献を振り返れば当然と言えよう。
本紙報道の通り自民党が指定団体制度の廃止反対を決議。規制改革会議が6月までにまとめる最終報告では内容は見直しされる方向だ。検討状況が不十分だと党側が判断したことになる。
さらに今回の提言では、内容はもちろん、審議や提言作成に関する〝過程〟も自民党農林関係議員から強い反発の声が出た。制度を熟知する農水省の関わりをできるだけ少なくし、党の酪農関係幹部に対しても、内容を報告したのは数日前。通常の農林案件ならば考えられないほどの、経過をたどって作成されたという。
今後、規制改革会議の最終報告の内容を見なければ安心できないが、例えば農協改革等においても「まず結論ありきで、我々の意見は聞く耳を持ってもらえなかった」とあるJA幹部の声があった。官邸の力が増しており、農水省や農林議員以外が農政に影響力を及ぼし始めているからだ。
大規模な酪農法人も将来をにらんで連携を模索し始めており、依然、予断のならない状況だ。