乳滴/2016年6月10日号
選挙期間中にすべき事
安倍首相は6月1日の記者会見で消費税率10%への引き上げを2019年10月まで2年半、再延期すると表明した。参議院選で信を問い、与党で過半数を目指す決意を述べた。参議院選は6月22日公示、7月10日投開票で行われる。
選挙モードに突入した。これに伴い、今後の酪農政策・予算に関する政府・与党の議論も選挙後まで一時中断。政府も腰を据えて検討する余裕が生まれた。山積する主要課題は今秋に取りまとめが行われるが、これまで挙がっている検討課題を改めて整理する。
まず、規制改革会議による指定団体制度の是非と現行の補給金の交付対象の在り方を含めた抜本的改革は、今秋までに結論が出される。2017年度の導入を目指している液状乳製品向け生乳の補給金制度対象化、補給金単価の一本化と適切な単価見直しは検討中だ。
TPP関連対策の継続検討12項目のうち、肉用牛・酪農の生産基盤の強化は、主要課題を論点整理し一部は来年度予算の概算要求に盛り込まれることが想定される。農水省が生乳流通体制の合理化の総合的な推進について昨年、生産局長通知を出しており、各指定団体が各種の見直しを策定中である。この時期こそ、農水省等とじっくり酪農の将来に向けた議論を行う良い機会である。