乳滴/2016年8月10日号
夏本番、牛乳消費は
熱帯のシンガポール。四季ではなく、三つの季節があるという。「暑い季節」「もっと暑い季節」「暑すぎる季節」だ。駐在員たちが一度は耳にするジョークだそうだ。「シンガポールの日本人はお祭りや行事、あるいは雨の有無によって季節の到来を知る」と清武英利氏の近著「プライベートバンカー」(講談社)に出てくる話である。
気象庁が7月29日に東北地方の梅雨明けを発表し、全国で梅雨が明けた。いよいよ夏本番。今年はラニーニャの影響で早くから猛暑が予想されていたが、これから9月半ばまで、どの程度の暑さが続くのだろうか。
前号でJミルクは、5月時点の発表に比べて牛乳類の需要を上方修正。ほぼ前年度並みになると見通した。消費が伸びている発酵乳はもちろんだが、減少し続けていた牛乳の需要が底打ちするのか、一時的な踊り場なのか見極めたい。
猛暑になると乳業ではアイスクリームの売上増加が代表的だが、各種飲料からエアコンなど、様々な個人消費を活発化させる。
九州から北海道まで真夏日の日もあり、特に気象庁は九州北部周辺の気温が8月6~15日まで「かなり高い」と異常天候早期警戒情報を発令中だ。乳牛の暑熱対策と9月の最需要期の需給が気がかりである。