乳滴/2016年9月20日号
消費が伸びる発酵乳
発酵乳(ヨーグルト)の消費が好調だ。Jミルクの7月時点の需給見通しでは、今年度は4.2%増の112万4千㌔㍑を予測。5月時点よりも1.7ポイント、1万9千㌔㍑上方修正した。背景には近年、乳業メーカーが健康に良い様々な機能性をアピールして開発と売り場展開に力を注いでいることがある。
消費者の健康志向も大きな要因になっているが、近年明らかになってきたのは「腸内細菌」が健康に非常に重要な役割を果していること。この点をさらに周知することで消費拡大の可能性が大きく広がる。
藤田紘一郎氏(東京医科歯科大学名誉教授)の一般向けの近著「腸内細菌が家出する日」(㈱三五館)等の一連の腸内細菌に関する著書では、腸内細菌が腸粘膜細胞と協働してヒトの体だけではなく、心の健康にまで影響を及ぼしていることが分かりやすく解説されている。同氏は「私たちの腸には3万種、1千兆個、重さでいえば約2㌔にもなる゛もう一人の私゛が棲んでいる」という。そして免疫の維持、ビタミンや必須アミノ酸、ホルモンの合成、脳内伝達物質の合成などの仕事をこの腸内細菌がしている。
運命、健康(アレルギーなどの現代病)、行動(うつ病)等も腸内細菌がカギになっているというから認識を改めたい。