乳滴/2016年10月20日号
「人口減少」への対応
デフレからの脱却を目指し2%の物価目標を掲げた政府の経済対策。実現しないまま4年目に入った。一時はメニューの値上げをした外食産業等では、節約志向を踏まえ再び単価引き下げ等のデフレ対応を始めたことが報道されている。
前号で紹介したJミルクの需給見通しでは、減少を続けてきた牛乳の消費は今年度は0.3%増と比較的堅調に推移する見通しだ。物価が持続的に下落し経済が悪化するデフレの影響を受けなければいいがと心配する。
消費に与える影響では、少子・高齢化もある。5年に一度行われる国勢調査。15年の結果が今年公表されたが、100年近い同調査の歴史の中で初めて日本の総人口が減少に転じた。5年前に比べて94万7千人も減少した。去る9月25日に放映されたNHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」での解説だ。
全国の自治体の8割以上の人口が減っている。空き家だらけの公営団地。やがて東京などの都市部でも減少に転じることなどが紹介されていた。中でも10年前に財政破たんした北海道夕張市では11万人の人口が9千人以下に急減する中で行政サービスをどのように維持するか苦心・苦労を重ねている。「撤退戦」だとの言葉が印象深い。戸数急減への対応は酪農組織でも同様に難問である。