乳滴/2016年12月10日号
ルール作りこそ本番
指定団体制度改革は政府の規制改革推進会議の提言内容がそのまま実現していたら、酪農乳業界に大混乱を招いただろう。生産者団体の必死の要請活動で何とか押し戻した。
だが、道はまだ半ばである。焦点となってきた①加工原料乳の生産者補給金をいわゆるアウトサイダーにも交付する②生乳の部分委託――について、肝心の条件(基本的な枠組み、ルール等)は今後、国が早急に関係者の意見を聞き、十分な調整を経て改革を行うとされたからだ。
ここまで来るには政府・与党のギリギリの調整があったと坂本哲志畜酪小委員長が12月1日の自民党酪政会で説明した。同氏によると規制改革推進会議は11月22日夜までの段階では自民党農林の提案に対してゼロ回答だった。そこで翌23日(祝日)夜に少数の農林幹部(いわゆるインナー)が集まり対応を協議。生産者側とも話し合いの末「ギリギリの線で受け入れ可能な案を作り、夜9時から再度、会合を持って需給調整を従来通りに行うこと等を盛り込ませた」(坂本氏)という。
こうした折衝、調整は当事者以外はなかなか知られないが、大変な苦労ではある。さて、今後のルール作りは農水省が策定するが、再び規制改革推進会議がしゃしゃり出ないようにしなければならない。