乳滴/2017年2月1日号
牛乳乳製品の消費に明るさの兆し
牛乳乳製品の消費(需要)について久しぶりに明るい話が聞こえてきた。
既報だが、日本乳業協会の川村和夫会長(明治)は新年の挨拶の中でヨーグルト、アイスクリーム、チーズの2016年度の需要が過去最高となる勢いであることを紹介した。また、長年にわたり減少を続けてきた牛乳の消費が「いよいよ下げ止まりの兆候を示しているのではないか」との見解を示した。
実際に農水省の牛乳乳製品統計では、2016年度4~12月の累計で牛乳等向けは1.3%増、飲用牛乳等生産量の中で牛乳の消費は1.6%増と前年度を上回っている。
前号で牛乳が痛風に良いとのNHKの番組を紹介したが、ある大手乳業の役員によると「非常に大きな反響があり、一時は欠品も心配するほどだった」という。例年、消費が落ちる冬場は北海道では業務用等の乳製品を生産していく時期だが、飲用向けに回しており、痛し痒しの状況だ。
ただし、こうした番組による効果(特需)は一時的なものではある。消費全体の底上げにつながってくれればうれしいのだが……。
2017年度もバターは義務輸入量を超える輸入をせざるを得ない。肝心の生乳生産は4~12月累計で0.2%減。需要と供給(国内生産)のアンバランスが大きな課題である。