乳滴/2017年3月10日号
酪農制度の変革期
かつてない酪農政策の変革期がこれからやって来る。本紙で詳報の通り、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法が廃止され、「畜産経営の安定に関する法律(畜安)」の中に、新たに位置づけ直され、恒久法となる。法案は3月3日に国会に提出されたが、成立すれば、2018年度から実施される。今後、法案審議とともに、農水省の省令や局長通知等において拡大される補給金の交付対象事業者や部分委託の具体的な要件などがさらに細かく詰められる。
それに先立って新年度(4月)からは、一足先に現行の加工原料乳生産者補給金制度について対象品目に、従来の脱脂粉乳・バター等向け、チーズ向けに加えて新たに生クリーム等液状乳製品向け生乳が追加される。また、併せて補給金単価が一本化される。初年度の補給金単価は1㌔当たり10円56銭、交付対象数量は3用途合わせて350万㌧である。
遡る15年度に政府・与党は、遅くとも5年後までに指定団体再編の実現、農協・酪農協の1県1団体化、生乳受託販売業務の合理化に係る推進計画の実施を都道府県、中酪・指定団体に求めていた。
こう並べてみると、いかに新たな政策が動き出すかが分かる。その影響は確実に生産現場にも現れてくるだろう。