乳滴/2017年6月20日号
生産減少は都府県が起因
「近年の生乳生産量の減少は、ほぼ都府県酪農の生産量減少に起因するものとみることができる」と農水省牛乳乳製品課は最近の酪農をめぐる情勢で説明している。
具体的には、1996(平成8)年度と2015(平成27)年度の生乳生産量を比較。この間に全国では125万㌧、14%もの生産量が減少しているが、北海道が36万㌧、10%増えているのに対し、都府県は161万㌧、32%減と3割以上減少しているのだ。
その要因について農水省では「北海道が1頭当たりの乳量の伸びにより頭数減少をカバーしたが、都府県では1頭当たり乳量の伸びを越えて飼養頭数が大きく減少した」こと等によると指摘している。
その結果、1996年度は北海道が354万㌧、都府県が512万㌧の生産量だったが、15年度は北海道が390万㌧(シェア52.7%)、都府県が351万㌧(同47.3%)と逆転され、しかも、その差は年々拡大しつつある。
ところが、その都府県でもこの間、九州や関東が2割から3割弱の減少にとどまっているのに対し、北陸、近畿、四国は4割~5割減と大きく減少している。これが実態である。都府県酪農を今後どうすれば持続させることが可能か。畜安法成立の影で待ったなしの課題である。