乳滴/2017年7月10日号
酪農機械会社の貢献
米国では日本に比べて食品関係企業に対する社会的な評価が高いことを以前、紹介したことがある。消費者はあまり意識しないだろうが、農畜産物を生産するには農家だけでなく、農家を支える資材や農業機械など、様々な関連会社があってはじめて安定的に生産を継続することができる。
前号では酪農機械・資材販売の㈱チュウチクが、創立60周年を迎え「感謝の集い」を開催。関連する業界から約100名がお祝いに駆けつけたことを報じた。
席上、同社の坂井有社長は足立健一会長が、いち早く「これからの酪農には機械化が不可欠」との確信を持ち、欧米先進酪農国を10数回も視察。先進酪農技術を日本に持ち帰ってきたことが会社発展の基礎になったなどと、紹介した。もちろん、日本の酪農発展に貢献したことはいうまでもない。例えば、わが国で先駆けてTMRの飼料給与・機械の普及を推進してきたが、当時(1980年代)は行政も理解が足りず否定的な見解だったという。
「会社創立当時は、熱意だけを武器に酪農家の間を走り回る日々だったと会長には聞いている」(坂井社長)。わが国の酪農が発展してきた経過にはこうした酪農機械・資材関連の会社・人々の貢献も大きかったと改めて感じさせられた。