乳滴/2017年8月1日号
記録的な豪雨に対して
7月5~6日の九州北部豪雨は、記録的な大雨が河川の氾濫や土砂崩れを起こし、福岡、大分の両県に甚大な被害をもたらした。酪農関係でも浸水や落雷により、生乳廃棄、飼料流失等大きな被害が発生した。猛暑の中、酪農乳業関係者が復旧に向けて精一杯の努力を続けている。例えば、乳牛の移動や流されたロールサイレージ数千個をクレーンやショベルカーを使って苦労して回収しなければならなかったという。ロールの処理は、まだこれからだ。また、7月22~23日には今度は秋田県内や新潟県佐渡市等で豪雨による大きな被害が出ている。心からお見舞いを申し上げたい。
近年、1時間に50㍉以上、あるいは100㍉を超える異常ともいえる豪雨が増えている。一方、今年は関東の荒川水系では降水量が少なく、取水制限が20%に強化された。北海道での猛暑日等、極端な気象が現れるようになった。日本近海の海水温が今年は1~2度高くなっている所があり、雨のもとになる海面からの水蒸気が多くなりやすいとも言われる。
台風シーズンを前に、危険個所や避難場所、家畜の避難経路の確認を行っておきたい。農水省は最低1週間分の飼料の在庫を用心のため、可能ならば分散して保管するよう呼び掛けている。