乳滴/2018年5月1日号
子供のやせ願望を危惧
電車の中でランドセルを背負った小学生(女の子)が隣の友だちに「私も断食したいな」と話しているのが聞こえた。心底驚いた。アイドルグループのブームでスタイルなどを気にする年齢が下がっているのをまざまざと感じた。成長期に入る子どもが、極端なやせ願望(低栄養)に影響されるなら、この子たちの将来の身体作りは、どうなってしまうのだろうか。子どもたちの骨折は、ここ30年で2倍以上に増加しているという。
Jミルクの「乳の学術連合」の運営委員会委員長の折茂肇氏が17年度の酪農乳業みらいセミナーで説明したことだ。
①牛乳の摂取頻度が増えると骨密度は高くなる②小学校時に運動部で活動していた中学生の骨密度は高い③標準体重を維持する④朝食を食べ、ダイエットしない⑤よく睡眠をとる――等々。いずれも普通と思われることばかりだが、実際には当たり前になっていないのが課題なのだ。
関連して折茂氏は、近年、低出生体重児(2500㌘未満)の出産が増加傾向にあり、虚血性心疾患、Ⅱ型糖尿病、本態性高血圧等、背負う疾患リスクが高まることを説いる。妊娠前から、牛乳乳製品などの多様な食品を組み合わせてバランス良く栄養を摂取し、適正体重を維持することが重要と指摘している。