乳滴/2018年7月1日号
〝親元就農〟者対策を
酪農の新規就農対策が議論になっている。新規就農というと新たに酪農に参入した新規参入者と、いわゆる親元就農者が加わった人数になる。このうち、新規参入には多額の投資が必要なことから、資金面等の高い壁がある。
政府・国会では昨年来、この新規参入に対する議論がなされ、課題等を整理中だ。新規参入者対策を強化することは確かに有り難い。加えて肝心なことは、政策的に難しい面はあるにしても、親元就農を含む酪農後継者対策を強化する方が、より効果的で現実的ではないか。ちなみに2016年度の新規就農者に占める新規参入者の割合は約18%弱。実数では全国で37人(北海道30人、都府県7人)である。
2014年度の酪農全国基礎調査では、「酪農後継者あり(経営主50歳未満を除く)」は、成畜飼養規模が20頭未満では確保率は7~12%だが、30頭未満は18%、40頭未満は27%、50頭未満は32%と徐々に上昇し、40%台から150頭以上層の50%まで増加する傾向にある。
確かに10年前と比較して北海道、都府県ともに後継者不在が増加し、北海道約35%、都府県44%にもなるが、後継者のいる酪農家に対する対策と「まだ、後継者が決まっていない」と回答している経営に対する対策によって後継者獲得を増やしてもらいたい。