乳滴/2018年8月10日号
チーズ事業で高品質化
世界的に今後、牛乳乳製品の需要は拡大すると予測されており、世界の生乳生産と需要構造の変化にも常に注意を向けていてほしい。例えば、乳製品の国際相場の変動はJミルクのホームページでみることができる。
酪農大国でさえ、終わりのない競争が続いているのが現実だ。将来に向け少しでも競争力を高め、生産コストを引き下げざるを得ない。品質の向上、地域や経営の特色を出す。加工・製品販売に進出する。経営者として、日々考えをめぐらしているに違いない。
今年度の農水省の事業の中でTPP11、日欧・EPA対策関連で国産チーズ生産奨励事業(53億円)が新規に措置された。チーズ向け原料乳の高品質化の取組みに対して1㌔当たり最大15円(基本12円)交付される目玉事業だ。
国産チーズ向け原料乳は大半は北海道だ。16年度では43万㌧のうち都府県は約1万㌧とわずか。交付要件は基本取組の場合、乳房炎予防のための畜舎洗浄・消毒、分娩前後の血液検査等による高度な管理、乳質検査の拡充、乳温管理の高度化、生産管理の記帳・記録・搾乳施設の点検整備、など7項目が並ぶ。
北海道では自然と高品質化が図られることになる。このことは、都府県の酪農家も意識して対応していくべきだろう。