乳滴/2018年10月10日号
緊急の実態調査が必要
2018年度上期がこれほど災害が相次ぐとは誰が予想しえただろうか。大規模な被害をもたらした7月の西日本豪雨と9月6日未明の北海道胆振東部地震。西日本豪雨では未だ復旧途上の乳業者がある。北海道では地震の直接被害に加え、道内全域の停電や断水等により2万㌧を超える生乳の損失(廃棄)が起きた。
台風による酪農乳業への被害発生は、上期の主なものですでに7回を数える(第5号から24号までの間)。かつてない広範囲、集中的な気象災害・天災が酪農経営や生産基盤に打撃を与えている。
年度当初の4月、本欄で今年度は都府県酪農対策が最大の課題ではないかと強調した。戸数、頭数、生産量の減少に歯止めがかからず、北海道に比べて相対的に、より厳しいからだ。その現状は今も変わりはない。しかし、順調に見えた北海道酪農に暗雲が広がり出した。自給飼料の柱となる一番牧草やトウモロコシの不作が明らかになったところに今回の大地震である。北海道酪農の今後にどのような影響を与えるのか。
先に中央酪農会議が公表した2017年度酪農全国基礎調査だが、可能であるならば、今一度緊急の調査が必要ではないか。今回調査では、北海道の回収率が約5割と低かったこともある。実態把握が何より重要だ。