乳滴/2018年12月10日号
押し寄せる交渉の波
次々と押し寄せる国際交渉の波。時を置かずして第1波、第2波がやってくる。米国が離脱するなど、予想外の交渉経過を経たTPP11が12月30日に発効。欧州連合との経済連携協定である日EU・EPAも早ければ2月1日の発効に向けて両国・地域の手続きが進められている。
欧州との協定が仮に年度内に発効すれば、両協定も交渉上の結果とは言え、短い初年度を過ぎ来年度(19年度4月)から輸入枠の拡大、関税削減のカウントは協定の2年目として扱われる。
「最近の追加輸入量の範囲内」「脱脂粉乳やバターが不足している場合に」「国内消費の動向を考慮する」などの国の説明があったが、脱粉・バターに新設されたTPP枠等、いきなり2年分の枠をどのように影響がないように措置するのか不安がある。
一方、世界(政治・経済)が注目している米中の貿易戦争は、12月1日に行われた米中首脳会談で、追加的な関税引き上げを先送り。2大国のつばぜり合いが激しさを増している。米国が中国に突き付ける強引さを見ると、TAG(日米物品協定)における農産物への圧力は相当なレベルになることが心配される。