乳滴/2019年1月10日号
競争の中の協調も必要
ライバル同士であっても手を組まざるを得ない事業環境だということだろう。超低金利が長期化し、地方・地域で再編などの経営見直しが迫られている金融業界。人員削減等の合理化、様々な対応策が報道されている。
例えば、メガバンク(銀行)2行が維持コストの負担軽減のために、新年度から現金自動出入機(ATM)を相互に無料で使えるように共通化する方向との発表があった。また、スマートフォンの普及に対応して、無料通話アプリのLINEと共同出資で銀行を設立し2020年の開業を目指しているとの話題もあった。
コンビニ内にあるATMも本来ならば、銀行にとってはライバルである。しかし、利便性と自社設置の費用を考えると「競争の中の協調だ」とは、ある銀行員に聞いた話である。
酪農乳業界でも物流合理化は、長年の課題であり、様々に取り組まれてきたが、今なお重複している集乳路線が残っている地域もある。その一方、酪農家戸数や生乳生産量の減少という生産者側の変化、ローリーの運転手の人手不足、物流コストの上昇というのは、前述のスマホによる決済の出現等、事業環境の変化である。
変化している事業環境をキャッチ、将来方向を的確に経営判断しなければ生き残りは難しい。