乳滴/2019年5月20日号
雹(ひょう)の季節
5月も半ばを過ぎて暑い日、涼しい日が入り混じりながらも湿度が上がっていくのを感じる。各地から入梅の知らせを聞く時期になった。
今月上旬の報道で、一部地域の降雹による野菜や果実の被害が伝えられていたが、丹精した農作物が被害を受けると経済的、精神的に大きな打撃だ。雹に当たった農作物は、通常の作業に加え余計な手間がかかる。外見にキズがついた果物は、市場の評価は厳しくなる。仕事は増えても手取りは減るのだ。
そういう時こそ「食べて応援しよう」の気持ちを大事にしたい。雹で傷ついた果物でも、可能な限りスーパー等店頭で並べたりして買う側の選択肢を用意してほしい。きっと身近な誰かの故郷だったり、いつか訪ねた楽しい観光地だったりと、その土地に親しみを持つ人が応援するからだ。
今年も近所で牧草の収穫が始まった。連日早朝から代かきや田植えの農機のうなりが遠くから聞こえてくる。トラクターや田植え機が落とした小さな土塊がアスファルトに点々とする農作業シーズンの到来だ。
毎年思うことではあるが、今年も夏は夏らしく適度に暑く、冬は冬らしく適度に寒く。極端な酷暑、豪雨がなく、四季を通じて適度な陽射しと降雨に恵まれる、順調な気象であってほしい。