乳滴/2019年7月1日号
小さな集落の祭り
日本の伝統文化のひとつ、夏祭りが、私の住む集落でも行われる。冬から忙しく続いたイチゴも片付け終え、田植えも終わり農作業が一段落するこの時期に、集落挙げて氏子の無病息災、豊年満作を祈願する。農家も農家以外も小さな集落のほぼ全世帯が参加する。
2日間にわたり開かれる祭りの中心は神輿渡御。祭り囃子のなか氏子衆がお神輿を担ぎ集落中心から村はずれの川べりまで行きそこで龍神様をお神輿に遷して集落の神社まで行幸。宮司が祝詞をあげる。翌日は同じ場所に龍神様を送りに行く。面倒な仕事の話も無し。お神酒(お神麦酒)も飲み放題で楽しい行事ではあるが、担ぎ手が少ないのが正直厳しいところだ。
お神輿を担ぐ行為自体は浅草の三社祭とか神田祭と同様だが、担ぎ手が極端に少ないから、各人の肩にかかる負担は都会よりもズシリと重いはず。足腰がガタガタになるうえ肩に赤いアザが残るから風呂場で驚くことになる。アラフィフの小生も断然若手なので貢献しなければならない。
夏祭りで氏子はこのほか神社の飾りつけ、氏子の接待や慰労を輪番制で担当する。集落の繁栄を祈りながら幾世代にもわたり続けられてきた祭り。心身壮健で今年もお神輿を担げる幸せをありがたく思う。