乳滴/2019年8月10日号
スマホがもたらす変化
日本でスマホ利用が広まったのは2008年発売のiPhoneがきっかけだろう。電話機能のほかネットを通じてアプリをインストール。音楽再生、写真・動画等管理が1台でできるというのがウリだ。2010年、本会主催の欧州視察に同行した際、若い参加者がドイツのホテルのロビーでスマホを操作していた。聞けば「ここは無料Wi-Fiがある」と。そんな使い方もあるのかと感心した。
その後、端末性能向上と通信網の充実は目を瞠るものがある。今、通勤電車では老若男女、十中八九それぞれが目の前にスマホをかざして何かを見ている。一方で分からない単語を調べたり、気になる動画を見たりすること自体、どこかにデータを提供していることにもなる。例えば新発売の商品を検索すると、後々関連の広告がよく出るようになるのもそのためだ。
酪農雑誌を見ると現場ではスマホで乳牛の個体管理や繁殖、機器の管理もできるようだ。自然の恵みを反芻、繁殖を通じて乳肉として我々に提供してくれる乳牛の営みはこの先もずっと変わらないだろうが、取り巻く人間と社会・経済環境、技術が変わってゆくとすれば、ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)が、10年後の酪農、農業にどんな変化をもたらすのだろうか。