乳滴/2020年3月1日号
〝信頼感〟こそが大事

「ママ友の連絡網でマスク販売の情報交換が飛び交っているが、店に行った時は大抵すでに売り切れ」「販売個数の制限があり(家族でないことを示す)身分証の提示を求められた」「開店前に行列」。いずれも身近に起きているマスクや消毒薬等の購入の話である。
新型肺炎の影響により政府の増産の掛け声も効果なく、依然として欠品が解消されていない。マスクの一大生産拠点が中国だったことや、日本人以外も含む買いだめなどにより、突然、需要が急増。メーカーも対応しきれなくなっている。拍車をかけているのが、「手に入らない」「売り切れ」という不安感。実際に必要な数量よりも多く購入することにつながっている。
必要な時に必要なだけ手に入るという通常であれば、こうした仮の需要は起きない。根底に「安心感」や「信頼感」があるからである。
この「信頼感」が何より重要である。万が一にも崩れることがあれば、容易に不正確な情報に踊らされたりする。食料等に波及したら大変なことになる。パニックの発生は何としても防がなければならない。
収束が長引けば長引くほど医療現場など、社会や経済への影響は大きくなる。中国はじめ世界的にまだ収束への道筋が見えていない。