乳滴/2020年3月10日号
日本の弱点?

政府の方針でいきなり多くの学校が休みになり、例年よりも早く春休みに。学校給食が急に中止され、新型肺炎の影響が生乳需給にまで及ぶ事態となっている。原因不明、感染経路不明の感染症の広がりは、生産者側では何ともしがたい状況で、一刻も早い終息を願うとともに、不安払拭に向け政府の万全の対策を求めたい。
新型肺炎を契機に目先ではマスク欠品、トイレットペーパー買占め、インバウンド需要急減等が問題になっているが、実は薄々気付いていながら(?)直視することを避けてきた重要な課題に直面することになった。
例えば外国人実習生がこの春、農業生産の場に来られないという事態。実習生に頼らざるを得ない経営が各地にあるということにあらためて気付かされた。製造業の分野でも、安価な労働力を求めて海外に生産拠点を移している企業ではサプライチェーン(供給網)に影響必至、との報道もある。ウイルスはグローバル化のリスクの面をあぶりだした。
さらに「子ども食堂、都内260カ所以上で中止」という報道。貧困等事情がある子どもに無償あるいは安価で食事を提供する場所だが、子ども食堂に頼らざるを得ない世帯、満足に食べられない子どもが、今の日本にそんなにいるのかということに驚く。