乳滴/2020年7月20日号
一丸の努力に感謝
近年は異常気象による自然災害が頻発している。命を最優先で守る行動を促す「大雨特別警報」が今回の九州等の豪雨では、広範囲にしかも、連日発令された。特別警報は本来ならば数十年に一回程度発生する災害を想定したものだが、九州では1週間で平年の年間降水量の約半分が降るなどの異常事態。雨が止まず後片付けもままならない苦しい状況が続いた。
2年前の7月は西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震が発生。昨年も大型台風15号、19号の上陸とその後の台風21号の接近で、千葉県や東日本の広範囲な地域で酪農乳業界を含めて甚大な被害を受けた。
本年度は始まってから4カ月に満たないが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、国内外の社会、経済を揺るがす。同時代を生きる人々にとって経験したことのない禍が続いている。
酪農生産者としては、国民の大切な基礎食料である生乳を消費者に供給できなくなることがあってはならない。コロナの影響で欧米の酪農現場では、生乳の廃棄、乳価下落が起こった。これに対し、わが国では、全国連・指定団体等の生産者団体と乳業者、農水省が一丸となって懸命の努力を続け、学乳休止、業務用乳製品の減少を乗り切った。これは特筆すべきことである。