乳滴/2020年12月10日号
国民の〝命〟を支える
多くの課題を抱えていた医療現場に、新型コロナが加わり各地で窮状が伝えられている。約33万人の医師(18年時点、以下同じ)や約154万人の看護師(准看護士約30万人含む)を含む多くの医療従事者が国民の命を守っている。
医師数を取り上げたのは、かつて酪農共済制度の元受保険会社で保有残高の1番が医師等の年金で、次いで本会制度だった記憶があったからだ。例えば1975年の医師数は約13万人。同時期の酪農家戸数は約16万戸だった。それが酪農家戸数は減少し続けて20年2月の調査では全国で1万4400戸が基礎食料である牛乳乳製品を供給し国民の健康と命を支えている。
ちなみに本会のある東京・渋谷区代々木は、美容師や理容師の専門学校や業界団体のある街としても知られる。同じ18年度の美容師数は増加傾向で約53万人、理容師数は減少傾向で約22万人である。
生産基盤の維持、強化に向けた農水省や酪農乳業関係者の懸命の努力で乳牛飼養頭数が回復し、生乳生産量も2年連続の増産の見通しである。ただし、戸数の維持あるいは減少幅を縮小させることは困難な情勢にある。他産業からの新規参入に加え、最重要なのは酪政連等が要請している親元就農を確実にするための支援である。