乳滴/2021年3月1日号
業務用減少の影響
生乳生産への影響を避けながら、いかにして過剰となった乳製品在庫を減らしていくかが、喫緊の課題になっている。
Jミルクの予測(1月29日)では、21年度の期末在庫は脱脂粉乳が7.3カ月分、バターは5.6カ月分。脱粉は農水省の飼料用や輸入調製品との置き換え対策分2万4千㌧が含まれたもの。バターには今後の対策分はまだ含まれていない数字だ。いずれにしても通常、業界の適正在庫はバター2.5カ月、脱粉5万㌧程度とみられ、在庫適正化に向けた取り組みは欠かせない。
農畜産業振興機構による18年度の統計では、脱粉の業種別消費量は、業務用63.5%、乳業(社内消費)35.6%、家庭用(小売業)は0.9%。業務用の構成比では乳業の(アイスクリーム)と(はっ酵乳・乳酸菌飲料)がそれぞれ約3割を占め、菓子と飲料がそれぞれ約7%を占める。
また、バターは業務用68.5%、乳業(社内消費)9%。家庭用(小売業)22.5%。業務用の構成比では、菓子47%と半数近くを占め最も多い。外食・ホテル業とパンがそれぞれ約15%だ。
こうしてみると、新型コロナによる影響では、牛乳は学乳停止が乳製品増につながり、乳製品は特に業務用消費の減少長期化の影響が大きい。現在も継続中だ。