乳滴/2021年4月1日号
悪疫退散、牛体守護
埼玉県飯能市の竹寺が丑歳の今年、大開帳の年に当たるので出かけた。ご本尊は疫病退散の神様、牛頭天王(詳細は本紙5面に記事掲載)。奥武蔵とよばれる山中(標高約500㍍)にあり駅前徒歩数分という訳にはいかないが、車なら飯能市街から片道約30分で着く(道は舗装路だが細いので運転は慎重に)。
昨年6月に本紙編集2名で訪ねた際は、緊急事態宣言解除の喜びもあり、西武秩父線の駅から子の権現(ねのごんげん、天台宗天龍寺)経由で歩いた。竹寺は神仏習合を今に伝える貴重なお寺だが、精進料理が楽しめるのも魅力だ(要事前予約)。私たちもお参りがてら頂くことにした。山の清涼な空気に佇むお寺の本坊で心尽くしの料理を味わう。竹の徳利で供される地酒「天覧山」はハイキングでバテ気味の私たちの身体に旱天の慈雨のように沁みた(おかげで帰り道は滝の汗)。
お札の授与所から本坊の奥の方、長押あたりをよく見るとホルスタインの写真がたくさん並んでいる。住職によれば昭和20年代のもので、それぞれ大切に飼っていた牛の健康を祈るため酪農家が奉納したものという。
ウェブの公式サイトによれば、ご開帳の今年は折々に行事が計画されている。定期的にチェックしたい。