乳滴/2021年4月10日号
経営悪化への対策必要
新型コロナ禍の影響で酪農の景況感(日本政策金融公庫調査)は、2020年度にすでに大幅に悪化していたが、配合飼料価格に加え燃油、粗飼料、肥料等も値上がり。生産コスト上昇による急激な経営悪化が予想される。
特に配合飼料価格は、3期連続値上げ。乳配で1㌧当たり1万1100円と大幅だ。中国の需要増加が主因だが、今後、米国産の作付け、作柄(特に夏場の受粉期)に、安定した気候が続くように願っている。また、何より価格補てんが重要だ。
酪農情勢を一言で言えば「かじ取りが、非常に難しい局面にある」といえる。
乳製品の過剰在庫に対する出口対策に政府・与党への要請も含めて、引き続き全力で取り組まなければならない。その一方で、国の酪肉近代化計画で定めた10年後の生乳生産780万㌧への生産基盤対策も進めなければならない。
Jミルクの1月予測では、21年度の生乳生産は全国では3年連続増産の見通しだが、都府県は0.6%減と前年度に比べ約2万2千㌧減少する予測。都府県対策は必要不可欠だ。生乳流通においても農水省が生産局長通知を出し、今後、生乳の受託販売の議論と組織問題が難題。規制改革会議による議論も再び提起されるなど、問題は山積みである。