乳滴/2021年6月10日号
コロナ禍でのケガ入院
新型コロナウイルス治療のため医療者の日夜の努力には、頭が下がる思いだが、通常の医療にも大きな影響が出ていることを身近に見た。
高齢の家族が服を着替えようとして転倒。大腿骨を骨折した。激しい痛み。入院し各種検査が終わり、自分の骨をくっつける方法ではなく、人工物に置き換える(人工骨頭挿入術)手術を行った。
まん延防止等重点措置の対象地域であるため、感染対策から手術に立ち会える家族は一人だけに限定された。その後、約1カ月後の退院予定日までは、対面での見舞いは一切できない。洗濯物等を受付ロビーで看護師さんに手渡すのみだ。連絡は、スマホだのみである。
コロナ禍の今、具合が悪くなると大変である。かつては高齢者が大腿骨を骨折すると、寝たきりの原因になるといわれた。しかし、その整形外科専門病院では、手術の翌日からリハビリが始まった。
知人の家族の例では、95歳にして同じ手術を受け、何と8日間で退院し、通院でリハビリ中とのこと。欧米では、術後5~10日で自宅または施設に退院するというから日本でも同様の傾向といえるか。
年をとると、頭では理解しても行動が伴わないことがままにしてある。病気やケガは大きな経営リスクでもある。