乳滴/2021年7月10日号
まず家族の命を守る
梅雨明け間近の豪雨災害が近年続けて発生しており、残念ながら今年も静岡県熱海市で大惨事が発生した。テレビやネットで伝えられた土石流の動画には言葉も出ない。不明者の一刻も早い救出が望まれる。
ふり返れば昨年はまず九州豪雨(7月)。線状降水帯の停滞で各地で河川が氾濫(全国の農林水産被害額2207億円、農水省調べ)。一昨年(令和元年)は8月に九州(同225億円)、10月に東日本が大雨に見舞われ停電、冠水で大きな被害が出た(同3446億円)。長野で多くの新幹線が水没したのはこの時で千葉・房総半島では停電が長期化した。その前年には西日本豪雨(同3409億円)があった。
豪雨災害の情報に接するたび農家の備えとして何ができるか考える。トラクターや作業車を高台に暫定的に移せるかの検討。非常用発電機の確認。農機用燃料の備蓄ほか…。家庭内についていえば、最近では自家用車から100ボルト電源が取れる場合もあるしそうでなくてもカーラジオは貴重な情報源だ。
たいていの場合、家畜を連れ出せないのが心苦しいが、家族の命あっての農場経営でもある。警戒レベルほか要介護の度合、妊婦などの条件付きながらホテル等に避難した場合に助成がある自治体もあり、事前に確認しておきたい。