乳滴/2021年7月20日号
配合飼料高騰が大打撃
昨年度に大幅に悪化していた酪農経営に飼料高騰が大きな打撃を与えている。生乳生産の経営コストのうち、飼料費が占める割合は、都府県が48%、北海道でも41%と経営を左右する。中でも配合・混合飼料の使用原料の約半分がトウモロコシであり、その7割を米国からの輸入に依存している。
今の時期は米国のトウモロコシ生産量を左右する大事な受粉期。主産地である中西部に降雨があるか、高温乾燥が続くかといった気象条件に反応する天候相場となる。
指標となるトウモロコシのシカゴ相場(期近)は、2014年10月以降から20年の8月頃にかけては、概ね1ブッシェル当たり3㌦~4㌦程度で推移していた。エタノール向けの減少や米国等の豊作を背景にしたものだ。ところが9月以降になると状況は一変し始める。中国向け輸出の成約の増加に加え、南米産地の乾燥条件等により、上昇し始め、本年4月末には約8年ぶりに同7㌦を突破した。現在は5㌦台後半で推移している。
6月10日発表の米国農務省穀物需給報告では、世界のとうもろこし生産は前月予測から変更なく豊作を予想している。
①原料情勢(トウモロコシが49%、大豆油かすは13%)②海上運賃③為替相場――の動きから目が離せない。