乳滴/2021年8月1日号
秋の衆院選は…
先日、会員団体の組合長さんが、事務所を訪ねてくれた。時候の挨拶、最近の生乳需給、農政へと話は広がる。地元農業の担い手は団塊の世代が圧倒的に多くて高齢化が著しいこと。経営を委譲するにしても機械・施設の更新を考えると二の足を踏む人が多いこと、等。そして「皆食卓は豊かだって思ってるけど、食料が足らなくなる時が絶対来る。『農業は国防』と分かっている人がどれだけいるか」とも。
作物の出来、不出来は当然自分の努力が必須ではあるが、天候(災害)次第でいくらでも変わること農家は知っている。安い食料を輸入し、高級農産物を輸出するのは商売としてはアリだが、一方で国土を活かした「安定的な食料生産のあり方について、国民議論と理解が必要」ということで意見は一致した。
米国オレゴン州で最大級の森林火災が7月6日以来、燃え続けている。原因のひとつにマリファナ栽培農場が灌漑水を濫用との地元民の声(ワシントンポスト紙)もあるが、基本は地球温暖化の影響だろう。北米西部はこの夏、異常な暑さでカナダのブリティッシュコロンビア州では800人以上が熱波で死んだ(CTVニュース)。
地球規模で異常気象が頻発している今、これからの日本の食料・農業政策をあれこれ考えつつ、秋の衆院選に臨みたい。