乳滴/2021年9月10日号
アフガンの酪農女性
自給的な農業に長く従事していた女性が38歳の時、FAO(国連食糧農業機関)の指導で酪農に出会い在来種の倍(日量約10㍑)搾れる交雑種を購入。配合・粗飼料・補助飼料の使い方を学び乳量を増やし1頭増頭、毎日13㍑販売(4米ドル)できるまでに。
FAOアフガニスタン事務所がWEBに載せた「アフガン初の女性の牛乳生産組合長、ハジファ」という記事だ。記述から察するに1976年生まれの彼女は92年に16歳で結婚。38歳で酪農を学び45歳の今、牛乳生産組合の組合長を務める。
自給自足的に在来種を飼う農村にあって、乳量が多くしかも風土にあう牛の導入が農村女性の生活改善につながると考え、普及活動に努めた結果、地元の女性80名が集まり牛乳生産組合を設立することが出来た。
「交雑種は安定的な収入をもたらす。農村女性には多くの新しい知識を学んでほしい。そのために私は喜んで協力する」と話す。牛を持てない組合員にはまず野菜販売で収入を得るよう指導。組合の乳量は増え牛乳処理工場も建設中。女性の生活向上が実現しつつある様子が伝わってくる。
ただしこれは今年6月の記事。再び政権に就いたタリバンと対立武装組織ISIS-K。過酷な情勢の中、農村の生活が翻弄されている。