乳滴/2021年10月10日号
業務用の回復に期待
いつもと違った夏。そして、9月の飲用最需要期にも消費は不振のまま終わり、過剰乳製品在庫の解消に向かう流れまではいかなかった。
増産が続く北海道に加えて都府県の生乳生産が今年は涼しい気候により生産が伸びた。いよいよ、これから不安を抱えたままで、不需要期に向かう。今後の需給の山場となる年末年始等に、とにかく処理不可能乳を出さないように、政府・国会、業界関係者が一丸となって腹をくくって対応するしかないだろう。
10月から外食(飲食店)や観光なども徐々に動き出し始めた。止まっていた業務用需要の急回復を期待する声と慎重な見方があるが、果たしてどのように推移していくか。
新型コロナの影響が本格化してから1年半余り。農水省の牛乳乳製品統計から、本年(21年)の4~8月(直近の公表値)の累計を新型コロナ前の19年同時期と比較してみた。
生乳生産量は全国で3.8%増(北海道4.9%増、都府県2.4%増)である。消費の柱の牛乳等の生産量(消費量)は0.2%減。牛乳等の消費量のうち、業務用が9.8%減、学乳用は3.1%増だった。
飲用牛乳の消費を一層喚起するとともに、業務用の乳製品需要が伸びてこないことには、積み増しが続く乳製品在庫は減らない。