乳滴/2021年11月1日号
とうとう生産対策まで
不安を抱えながら生乳需給の推移を見てきた。とうとう、膨らむ乳製品在庫対策のために北海道の生産対策(既報・22年度の目標数量1%増以内)では、いわゆる入口対策(生産段階)にまで緊急的に踏み込まざるを得なくなった。
新型コロナ禍のために昨年3月に全国で臨時休校。小中学校の学乳が停止されたのは約1年半以上も前である。加工向け等への配乳変更等を行い、政府が予算措置で緊急支援し何とか乗り切った。しかし、新型コロナ禍のかつてない長期にわたる悪影響が続いている。
いわゆる出口(在庫解消)対策としては、飼料用脱脂粉乳や輸入調製品との置き換え、新規需要の開拓などを進めてきた。しかし、現状は乳製品在庫は過去最大級に積み上がりつつある。
喫緊の課題は、不需要期の最大のヤマ場である年末年始だ。完全販売できない処理不可能乳(生乳廃棄)が出る懸念があるため、酪農・乳業関係者が一体となった対策を決め、達成することが求められている。
だが、乗り切ったとしても問題は年度末そして、それ以降の過剰乳製品の適正化が大きな問題だ。財源や適正化に向けた目標水準、期間等対策の詳細、各論に入るに従い、困難さと強い痛みが出てくる。信じてできることを一つずつやり遂げたいものだ。