全酪新報/2016年2月10日号

「第3四半期までの生乳生産、前年度上回る」―農水省の森牛乳乳製品課長「引き続き生産基盤の強化を」

2016-02-10

農水省牛乳乳製品課は2月5日、2015年度第3四半期まで(4~12月)の生乳需給状況を取りまとめた。生乳生産量は全体では前年度を上回り、地域別でも北海道は増加、都府県は前年度並みで推移している。脱脂粉乳・バターの生産量も増加し、在庫量も積み増した。森重樹課長は2016年度の生乳生産について「北海道は増産を見込んでいるが、都府県は、減少という見通しも出ている。引き続き生産基盤強化に努めたい」と述べた。

お断り=本記事は2月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「今年度は10年ぶりの増産へ、都府県前年度並みも全国では0.9%増の見通し」―Jミルクが1月27日に公表

2016-02-10

Jミルクが1月27日に公表した生乳及び牛乳・乳製品の需給見通しによると、2015年度は10年ぶりに増産を達成する見込みだ。北海道は年度を通して前年を上回り、都府県は、ほぼ前年度並みとしている。


全国の生乳生産量は、741万8千㌧で2014年度を0.9%上回る見通し。地域別では、北海道は389万6千㌧で1.7%増。2014年11月以降、前年度を上回る水準で推移している。一方、都府県は352万1千㌧で前年度並み。全国の生乳生産量が前年度を上回るのは、東日本大震災の反動から前年度を上回った2012年度を除くと、2005年度以来、10年ぶりの増産となる。


Jミルクは「1頭当たり乳量の増加、国が実施している畜産クラスターなどの施策、生産現場での取り組みに加え、夏季の気候条件が穏やかだったため」と説明した。


需要面では、牛乳生産量は299万7千㌔㍑、0.2%減少する。昨年度は1978年度以来、36年ぶりの300万㌔㍑を割り、今年度もわずかに下回る見通し。好調が続いているはっ酵乳は昨年度、わずかに減少したが、再び増加した。107万㌔㍑で6.1%増加する見込みだ。

「自民党、生産資材の実態ヒアリング」―TPP対策検討課題に着手

2016-02-10

TPP対策における検討継続項目とした12課題について、自民党は1月18日から議論に着手した。生産資材価格の実態などを生産者・関係者からヒアリングしている。このうち、酪農生産者から輸入飼料価格の高止まり、初妊牛価格の急騰などに対する意見が出た。自民党は検討結果を秋までに骨太方針として取りまとめる。


検討課題のうち、生産資材の価格の仕組みの見直し、人材力の強化などは農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(PT、小泉進次郎委員長)が担当する。生産資材をテーマに開いた1月22日の同PTでは、水稲、酪農家、肉用牛農家など生産者7名から実態などを聞き取りした。


乳牛1200頭規模の大規模酪農法人を経営する須藤泰人氏(群馬県昭和村、㈲ロマンチックデーリィファーム社長)は「酪農家サイドで生産コストを下げられない要因のひとつは、為替による輸入飼料の高止まりだ。特に配合飼料はメーカーによって1㌔当たり10円ほどの幅がある」と指摘。「それを埋める対策として食品の大量消費の裏側で発生するエコフィードの積極的な活用でコスト削減に努めている」と経営の対応を説明した。


また、須藤氏は酪農現場では人材不足が深刻になりつつあると指摘し、「現在の外国人実習制度の延長として、優秀な実習生は就労ビザとして再入国できるようお願いする」と制度見直しを要望した。


島根県益田市で7200頭の肉用牛経営と乳牛1千頭の酪農経営、山口県萩市で1700頭の肥育経営の3農場をもつ松永和平氏(㈱松永牧場社長)は「今の和子牛価格が平均75万円と子牛不足でここまで上昇している。先日、初妊牛を購入したが、平均75万円だった。3カ月前に比べて15万円値上がりしている状況で、この先もっと上昇していくだろう。TPP以前に生産者同士のつぶし合いが始まっている」と危機感を表明した。


小泉委員長は「一個一個の製品価格を下げる取り組みは政治がやるべきことではない。しかし、そうならない構造は、なぜなのかを検証し、澱(よど)みがあれば取り除かなければならない」と検討を重ねる考えを示した。

「TPP参加12カ国が署名」―協定発効は2年後か

2016-02-10

TPP協定の署名式が2月4日、ニュージ―ランドで開かれ、参加12カ国の閣僚が署名した。今後、協定発効に向けて各国は国内手続きへと移り、協定発効は2年後になる見方が強い。


我が国はTPP担当相だった甘利明氏が1月28日に辞任したため、署名式には高取修一内閣府副大臣が代表して出席した。


TPP協定の発効は、①署名後2年以内に12カ国全てで国内手続きが完了、②署名から2年後であれば参加国全体のGDPが85%以上を占める最低6カ国で国内手続きが完了――が条件。手続きを満たせば60日後に発効する。「おそらく2018年4月に発効する」(渋谷和久国内調整統括官代理)とコメントした。


同日、米国のオバマ大統領は年内の議会承認を目指す姿勢を表明。日本政府も協定と関連法案の早期の国会承認に意欲的だ。署名式に先立つ閣僚会合では、各国の国内手続きの見通し、協定発効後に新規加盟を希望する国・地域への対応、協定運営を担う事務局の必要性などを議論した。

「酪農後継者32名が未来語る」―全国酪農協会が主催して第4回未来塾を開く

2016-02-10

全国酪農協会(馬瀬口弘志会長)は1月27~28日の2日間、「第4回酪農未来塾」を神奈川県三浦市のホテル、マホロバ・マインズ三浦で開催した。全国の酪農後継者の交流と地域を担うリーダーの育成を目的に開催しているもので、全国各地から酪農後継者32名が塾生として参加した。未来塾では、ワークショップや意見交換を通じて、それぞれの牧場の課題や、酪農の将来展望について意見を交わし交流も深めた。関係団体の役職員など合わせて約60名が出席した。


はじめに、雪印メグミルク㈱総合企画室の野村俊夫氏が「最近の主要国の酪農及び乳製品国際相場を巡る情勢について」と題して講演した。


その後、ワークショップが行われ、今回も農場どないすんねん研究会(NDK・全国畜産支援研究会、獣医コミュニケーション研究会)が企画・進行を担当。まず、第1回未来塾から参加している武藤康司さん(所属・岐阜県酪連)、片岡寛之さん(徳島県酪農協)、中尾洋一さん(ふくおか県酪農協)の3名がそれぞれ牧場の概要、認識している課題や今後の経営目標などについて発表した。


その後、テーマ別(飼料イネ、たい肥の処理・利用等)グループの分科会で、活発な議論を交わし、その内容を塾生全体の前で発表することで情報を共有した。


未来塾の結びには、各塾生が自分の牧場の将来展望、日本酪農への想い、今後、未来塾に期待することなど、2日間の研修の感想を交えながら、塾生全員の前でそれぞれ力強く発表した。

「農水省が春節(旧正月)で万全の防疫呼びかけ

2016-02-10

農水省は1月28日、都内に全国の家畜衛生担当者を集め、2015年度口蹄疫等防疫対策強化推進会議を開いた。アジア一帯で人・物の移動が活発になる春節(旧正月。今年は2月8日)を直前に控え、1月には韓国で口蹄疫が再発し、口蹄疫ウイルス侵入リスクがますます高まっている。会議では全国の関係者に対して緊張感をもった万全の防疫体制を求めた。


冒頭あいさつした佐藤英道農林水産大臣政務官は「家畜伝染病対策は早期発見と迅速な初動体制がなにより大切。各都道府県では防疫演習などを通じて高い防疫意識を維持していると思うが、万が一の発生に備えて、緊張感を共有して万全を期してほしい」と全国規模の防疫対策徹底を呼びかけた。

連絡先・MAP

一般社団法人 全国酪農協会
所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
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(指導部・全酪新報編集部)
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アクセス JR・都営大江戸線ともに
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