全酪新報/2016年3月10日号

「TPP対策で加工原料乳補給金算定方式」の議論開始―2017年度から液状乳製品を追加し単価一本化へ

2016-03-10

生クリーム等の液状乳製品を加工原料乳補給金制度の対象に加えたうえで、現在、脱脂粉乳・バター、チーズと用途別に設定している補給金単価を一本化するため、農水省の補給金単価算定方式検討会が3月1日に初会合を開き、算定方法などをめぐる議論を開始した。農水省では2017年度の実施を目指している。

お断り=本記事は3月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「15年ぶりの大きな補給金制度の改革」―農水省の大野高志畜産部長が抱負

2016-03-10

第1回補給金単価算定方式等検討会の冒頭、農水省の大野高志畜産部長は、17年度からの補給金の一本化に向けて準備を進めていると説明した上で「01年度の前回の見直し以降、15年ぶりの大幅な改革。この拡充された補給金制度が真に我が国の酪農・畜産の生産基盤の強化につながるよう、ぜひとも活発な議論をお願いしたい」と適切に見直されるよう委員に協力を求めた。


「生産基盤強化や経営安定対策、生産者団体も検討―全酪連、全国酪農協会、全中などで構成

2016-03-10

全国酪農協会は全酪連、中央酪農会議、JA全中などの関係団体と酪農生産基盤強化・経営安定対策検討会を設けて協議している。北海道・都府県酪農の生産基盤強化と経営安定対策について検討するもので、JA全中が事務局。2月22日に第1回会合を開催し、酪農の現状と課題をめぐり意見交換した。3月4日に開かれた酪政連常任・中央合同委員会で、三国貢幹事長(全国酪農協会常務)が報告した。


酪政連は同検討会にオブザーバーとして参加している。三国幹事長は「今後は都府県酪農の厳しさや、どのような酪農政策が求められているかを具体的に絞り込み、酪政連の意見を反映させるように頑張っていきたい」と述べた。

「3年先の需給見通しも情報提供」Jミルクの事業計画―酪農生産基盤対策要請も

2016-03-10

Jミルク(宮原道夫会長)は3月3日、東京・大手町のKKRホテル東京で15年度年度第2回臨時総会を開き、来年度事業計画と収支予算を承認。3年程度先の中期的な需給見通しの情報提供、乳牛資源確保対策など酪農生産基盤強化策の検討、国産牛乳・乳製品の価値訴求活動などを重点事業に掲げた。Jミルクは昨年、第2期3カ年計画を決定していて、来年度で2年目を迎える。


Jミルクの16年度の生乳1㌔当たり拠出金は、飲用向け5銭、加工向け2銭で前年度と同額。賦課金収入は4億5807万5千円を計画に見込んだ。


来年度の重点事業のうち、Jミルクが公表する生乳及び牛乳・乳製品需給見通しについて、総会終了後の記者会見で前田浩史専務は「単年度だけではなく、3年程度先を見通した需給運営に資する情報提供を進める」と説明した。その理由として「国際化が進展すれば、国際市場の環境変化と連動する部分が多くなる。短期的・中期的な見通しが必要」と述べた。


また、酪農・乳業関係の国際組織を通じた情報収集に努めるなど国際化に対応した業務体制を整える。


さらに、酪農生産基盤強化策について組織的な検討を進めることを決定。「政府のTPP関連政策大綱の具体化に向けた議論が進んでいる。酪農生産基盤の強化が喫緊の課題であり、乳牛資源確保対策など必要な施策の要請を取りまとめる。これは今年の大きな事業だ」(前田専務)として、政府・与党の議論への反映を目指す。


国産牛乳・乳製品の価値訴求のためのマーケティング活動では、Jミルクの外部連携組織、乳の学術連合のほか、栄養士・医療関係者等との連携を引き続き進める。「2020年の東京五輪開催を意識して、スポーツアスリートと牛乳乳製品摂取の関係でエビデンス(科学的根拠)構築を図る」(同)など新たな学術研究を支援する。


このほか、毎年6月1日の「牛乳の日」、6月の「牛乳月間」の認知度向上を目指し、17年度以降の戦略的な活動方針の検討を始める。牛乳・乳製品有害論など「アンチミルク情報」への対応も強化継続する。


学校給食牛乳定着化事業も引き続き推進し、学乳制度の意義や役割など理解醸成を図る。

「2017年度予算獲得に向け意見交換」早急に要請内容を検討――酪政連

2016-03-10

酪政連は3月4日、東京・永田町の自民党本部で常任・中央合同委員会を開催。事務局が7月の参院選や来年度酪農予算獲得運動に向けた方針を示し、意見を交わした。委員からは酪農後継者対策、畜産クラスター事業に関する意見・要望が出された。


冒頭あいさつした佐々木委員長は、昨年10月にTPP大筋合意となって以降の運動を総括し「大筋合意後、国にさまざまな要請を行い、十分とは言えないまでも数多くのものを取り上げていただき、我々の目的をある程度達成できた」と一定の評価をした。今後の運動方針についても「次世代を担う意欲ある若者が、意欲と希望を失わないような環境、安定した酪農基盤を作らなければならない」と述べ、酪農安定に向けた施策の提案・実現に向けて会員組織の理解と協力を求めた。


会議では三国貢幹事長が当面の運動の進め方を説明。具体的には▽8月の政府予算概算要求に向けて各県酪政連組織の要望を踏まえ早急に要求内容を検討②秋を目途に政府は農林水産業骨太方針をまとめることとしており、7月の参院選を重要な要請活動と位置付け、与党検討会の動きを注視しながら要請活動を展開――などを挙げた。


またTPP対策のひとつとして、生クリーム向け生乳を加工原料乳補給金制度対象とし交付金単価を一本化するため、農水省が3月1日から検討を開始したことに関連して「最初の単価の設定が、生産費を十分賄えるような、複数年度にわたって生産費がカバーできるような設定方法、交付対象数量などについて要請していくことが重要だ。検討会にはさまざまな委員がおり、都府県酪農も十分視野に入れて検討していただくよう働きかけていきたい」との考えを示した。

「正副委員長再任、幹事長に笛田氏を選任」酪政連が総会開く――参議院選挙対策など、運動方針を承認

2016-03-10

酪政連は3月4日、合同会議に続いて16年度通常総会を開き収支決算、活動方針など原案どおり承認した。総会ではまた、7月に行われる参院選対策として各会員に対して会費の20%相当を特別会費として拠出を求める案が示され了承された。


任期満了に伴う役員改選で佐々木勲委員長、大槻和夫副委員長、佐藤哲副委員長、井上久副委員長、山下俊忠副委員長が再任されたほか三国貢幹事長が退任、新たに笛田健一氏が幹事長に就任した。


佐々木委員長は「再任されたということは、酪農を次の世代に渡せるようにしっかり整理をしてからということかと思う。国会議員の先生方と連携しながらピンチをチャンスとして次世代に酪農を渡せるように進めたい」と抱負を述べた。


また、来賓として出席した自民党酪政会の森英介会長は今後の酪農政策について「酪農本業で経営が成り立つようにするために、増頭奨励や畜産クラスターを十分に利用して畜舎の増設や、乳牛の確保に努めていかなければならないし、国産飼料の拡大にも努めなければならない。酪農は日本にとって必要な産業であり、自信を持って後継者に譲れる状況を作るよう努めることを約束する」と述べた。


総会では16年度の取り組むべき重点政策として①TPP協定発効前に酪農経営安定対策(セーフティネット)創設②乳用後継牛確保のための対策③自給飼料増産のための制度の拡充または創設④加工原料乳生産者補給金、関連対策の要求実現⑤生産者乳価の要求実現等を決定、このうち①の酪農経営安定対策(セーフティネット)としては、具体的に▽経営環境の変化に充分対応しうる中長期的な安定制度の確立▽後継者及び新規就農者の円滑な参入対策▽資金融通事業の一層の充実▽税制改正に対する要求実現▽環境・ふん尿処理対策の充実を求める。

全酪連が牛用配合飼料の3月出荷分を1500円/㌧支援――急速な円高進行で

2016-03-10

全酪連は2月上旬より円高が急速に進んだことを踏まえ、3月出荷分の牛用配合飼料を対象に㌧当たり1500円支援する特別対策を実施する。


全酪連はすでに1~3月期の配合飼料価格㌧当たり400円値下げ(前期比)していたが、今回の対策の理由として「2月上旬より急速な円高が進んだことによるもの」(購買部)としている。

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(業務部・共済制度)
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