全酪新報/2016年11月20日号

「加工原料乳向け生産者補給金の交付対象見直しを提言」 ― 規制改革推進会議農業WG

2016-11-20

政府の規制改革推進会議農業ワーキンググループ(WG)は11月11日、指定団体制度等見直しに関する提言をまとめた。飲用乳、加工原料乳の年間の販売計画・実績の報告を条件として、国が指定する団体以外に生乳を出荷する酪農家にも加工原料乳生産者補給金の交付対象とするよう見直しを求めた。また、農協等が酪農家の意に反する全量委託を求めないことも条件としている。農業WGの提言は、11月7日に公表した大枠の方針(既報)に基づきまとめたもの。規制改革推進側の意見に対して今後、自民党畜産・酪農対策小委員会が対案をまとめる。

お断り=本記事は11月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「自民党の会合で農業WGの提言に批判が続出」 ― 「制度の機能堅持を」全中の飛田氏

2016-11-20

自民党は11月17日、農林・食料戦略調査会(西川公也会長)、農林部会(小泉進次郎部会長)、畜産・酪農対策小委員会(坂本哲志委員長)等合同会議を開き、政府の規制改革推進会議農業WGによる指定団体制度改革に関する提言と、JA全農事業の大幅刷新など農協改革に関する提言について議論した。


このうち指定団体をめぐる農業WG側の提言に対して、党の会合に出席したJA全中畜産・酪農対策委員会の飛田稔章酪農委員長は「指定団体制度の機能が堅持されているとは到底思えない」と批判。出席議員からも、生乳需給調整などの制度が担う諸機能の弱体化に伴う酪農生産基盤への影響に強い危機感を抱く声が相次いだ。規制改革推進会議は今月下旬にも本会議を開くと見られ、政府・与党の協議が正念場を迎えている。


全中の飛田委員長は「自民党で4月に指定団体制度の機能堅持が必要だと決議してもらい、政府の規制改革実施計画でも制度の諸機能の評価・検証(が前提)とされているが、(農業WGの提言は)指定団体の機能が堅持されているとは到底思えない。牛乳ほど賞味期限が短い商品はなく、一元集荷・多元販売のもと生乳の用途を決めて、消費者への供給体制を作り上げてきた。提言では全量委託廃止の文字も見受けられるが、(腐敗しやすい)牛乳の特性を考えたときに、その大切さを農業WGは理解しているのか」と厳しく批判した。その上で「良いところ取りは絶対に許せない。指定団体制度の堅持が全国の酪農家の思いだ」と訴えた。


質疑で葉梨康弘衆議は飲用乳と加工原料乳の年間販売計画・実績の報告を条件に補給金の交付対象見直しを求める農業WGの提言を“曲球だ”と指摘。「年間の販売計画を作って売ったが、売れ残るか分からない。それを誰が計画生産と言うのか。補給金は税金であり、限度数量を設けて、それ以上搾ると財源がなくなるから数量範囲内で作ってもらう。生産数量の割当なしに計画生産はありえない。計画を作るのはどこの企業も当たり前で、それを計画生産と言うのは経済学を全く知らない人たちだ」と述べ、日本の財政規律自体が問われる問題だと強調した。


「北海道と都府県の役割分担を念頭に」坂本委員長


11月17日の自民党農林部会等合同会議で坂本哲志畜酪小委員長は農業WGの提言に対して「おそらく酪農を熟知する人が練りに練って作った意見書であり、色々なことを考えながら文言に意味が込められていると思われる。北海道酪農と都府県酪農が棲み分けして、それぞれ役割分担を果たしてきたことをしっかりと頭に入れながら、日本全体の酪農にとって安定した方向で所得が上がる業界を築きたい」と述べ、今後、党の方針をまとめる考えを示した。

「良いところ取り許せず」と酪政連、北酪協会 ― 自民党農林幹部に集中要請

2016-11-20

規制改革推進会議農業ワーキンググループが11月11日にまとめた指定団体制度等改革の提言を受けて、酪政連と北海道酪農協会の代表は11月14~15日、自民党農林関係幹部を訪ね要請活動を行った。党の取りまとめ役である坂本哲志畜産・酪農対策小委員長と面談した酪政連の佐々木勲委員長は「これまで守ってきた指定団体がどうなるのか酪農家は大変心配している」と訴えて対応を求めた。


要請活動には酪政連から佐々木委員長、大槻和夫副委員長、井上久副委員長、草場哲治副委員長、北海道酪農協会から佐藤哲会長(酪政連副委員長)、荒瀬誠副会長、佐藤正信副会長、鈴木剛副会長が参加した。坂本哲志委員長のほか、西川公也農林・食料戦略調査会長、森山裕前農相、伊東良孝衆議、宮腰光寛衆議、森英介衆議、江藤拓衆議、葉梨康弘衆議、野村哲郎参議をそれぞれ訪ねた。


党農林幹部に提出した酪政連の意見書では、酪農家が指定団体に生乳販売を委託しつつ、一部を自家処理、乳業に直接販売できる仕組みはすでに措置されていて、その取り扱いは「近年のメガ・ギガファームの増加を踏まえ、どのような対応が可能であるか検討していくことはやむを得ない」とする一方で、「自己都合で指定団体に委託したり、指定団体を通さずに販売したり自在に販売先を変更することは、全くの良いところ取りであり、絶対に許すことはできない」と強調している。


また、仮に加工原料乳生産者補給金について指定団体を通さずに販売する生乳に対しても交付する見直しを行うならば、計画生産、需給調整に参画する生産者のみを条件に交付すべきとしている。

「各指定団体の声を申し入れ」 ― 規制改革問題で中酪が農水省・枝元生産局長に要請

2016-11-20

中央酪農会議、指定団体の代表は11月10日、農水省の団体制度等改革議論に対して「酪農・乳業の安定性を指定団体が担ってきた」などの意見を強く申し入れた。面談には、中酪の奥野長衛会長、迫田潔専務、関東生乳販連の菊池一郎会長が出席。農水省側は枝元局長、大野高志畜産部長、松本平牛乳乳製品課長が出席した(面談は非公開)。


中酪の内橋政敏事務局長によると、農水省には11月8日に開催した指定団体会長会議における意見の概要を提出し、「規制改革推進会議の事務局を通して伝えてほしい」と要請した。


指定団体会長会議では、規制改革推進会議の改革方針に対して▽乳業者も品質保証面で指定団体が必要と言っている。酪農・乳業の安定性を指定団体が担ってきた▽指定団体に生乳販売を委託する97%の酪農家を「意欲のない酪農家」と決めつけたような改革方針は問題▽量販店が力を付けている中、需給調整に協力せず、指定団体を通さない生乳の増加は交渉力をなくし、乳価下落につながる▽指定団体は酪農家の所得向上のために共同共栄でやってきた▽改革ありきで進めており問題。これまでひたすら頑張ってきた酪農家の意見を聞くべき――などの意見が出た。

「TPP承認案が衆議院を通過」 ― 米大統領選でトランプ氏が勝利、不透明感

2016-11-20

TPP協定の承認案と関連法案が11月10日、衆院本会議で採決され、賛成多数で可決、同11日より参院で審議入りした。一方、11月8日の米国大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利したが、トランプ氏は選挙期間中、米国のTPP離脱を主張していて、今後の協定発効手続きには不透明感が増している。


安倍晋三首相は11月14日の参院TPP特別委員会で、今後、米国が批准してTPP発効する可能性への認識を問われ「厳しい状況になってきた」と発言。一方で「(TPPは)アジア太平洋地域の発展に大きな意義がある」などと述べて日本としては早期発効を目指す姿勢を強調した。


なお、11月10日の衆院本会議では協定承認案の採決に先立ち、TPPをめぐり強行採決などに関する発言が問題となった山本有二農相への不信任決議案が野党4党共同から提出されたが、反対多数で否決された。

「第5回酪農未来塾」が2月15~16日に開講 ― 全国酪農協会

2016-11-20

全国酪農協会(馬瀬口弘志会長)は2017年2月15~16日に神奈川県三浦市で第5回目となる酪農未来塾を開講する。現在、同協会の会員を通じて塾生を募集している(会員からの推薦が必要)。酪農未来塾は酪農後継者の交流と地域を担うリーダーの育成を目的に同協会が毎年開催しているもの。


研修内容は塾生によるワークショップ形式の意見交換や参加者同士の交流のほか、小林信一氏(日本大学生物資源科学部教授)と今吉正登氏(大山乳業農協・酪農指導部課長)の講演研修が予定されている。


また、ワークショップの進行は農場どないすんねん研究会(全国畜産支援研究会と獣医コミュニケーション研究会)が毎回、協力している。

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