全酪新報/2017年2月1日号

「加工原料乳の暫定措置法を廃止し、恒久法に移行」― 生乳流通改革、制度設計はこれから

2017-02-01

農水省が今通常国会に提出する農業改革関連法案の概要をまとめた。全ての生産者を加工原料乳生産者補給金の交付対象へと見直すのとあわせて、現在の加工原料乳生産者補給金等暫定措置法を廃止するが、補給金制度そのものは「畜産経営の安定に関する法律」を一部改正し、同法の中に移すことで恒久的な制度として位置付け直す。政府・与党は今後、制度設計と法案作成を進める。

お断り=本記事は2月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「2017年度の生乳生産量は1.2%減産を予測」Jミルク― 牛乳の消費は下げ止まりか

2017-02-01

Jミルクは1月27日、2017年度の生乳需給見通しを公表した。全国の生乳生産量は今年度よりも減少する一方、飲用需要は比較的堅調に推移すると予測した。そのため、2017年度分の乳製品輸入を勘案しないと、バターベースで14万8千㌧、脱粉ベースで18万6千㌧の生乳が不足する。市乳類のうち、はっ酵乳は好調を維持、牛乳消費は微減の見通し。前田浩史専務は「牛乳(の消費減)は下げ止まりと考えている」との見解を示した。


需給見通しは同日、2017年度の乳製品国家貿易の方針を発表した農水省の記者会見にJミルクが同席し、説明した。


2017年度の全国の生乳生産量は727万1千㌧で1.2%減少する見通し。地域別では、北海道は391万1千㌧で0.2%増。昨年9月以降、前年度を下回る水準が続いているが、今年8月から主力の2~4歳の乳牛頭数が回復してくることから、ほぼ前年並みの見込み。また、都府県は336万㌧で2.8%減。年間を通して頭数の減少が続き、減少幅が拡大する。


需要面は、牛乳は堅調に推移しており、4月以降も増加または微減で推移する見込みで、生産量は304万㎘でほぼ前年並み。前田専務は「長年減少傾向が続いていたが、この2、3年の動向を見ると下げ止まりと考えている」と述べた。


また、はっ酵乳は113万㎘で2.6%増。引き続き安定した需要が見込まれている。加工乳、成分調整牛乳、乳飲料はそれぞれ減少する。


乳製品の動向では、脱粉は生産量12万㌧(4.0%減)に対し、需要(推定出回り量)は13万4800㌧(0.1%減)、在庫は1万4800㌧減少。期末在庫量は3万5600㌧で前年よりも3割近く減少する。


バターは生産量6万2400㌧(4.0%減)に対し、需要は7万3700㌧(0.7%減)。今年度の輸入売渡残量5200㌧を放出しても6100㌧不足する。その結果、期末在庫は1万8500㌧で今年度末比24.8%減少する見通し。


2017年度分のカレントアクセス(CA)を加味しない場合、脱粉需要量を満たすためには18万6千㌧の生乳が不足する。また、バター需要を満たすためには、すでに決定している2016年度の輸入売渡残量を加味して14万8千㌧の生乳が不足すると見込んでいるが、Jミルクは「CA等で対応すれば、需給は安定する」と説明している。

「2017年度はバター、脱脂粉乳とも輸入は1万3000トン」― 農水省、年間輸入量予め設定、国内生乳の増産に期待

2017-02-01

農水省は1月27日、2017年度の乳製品国家貿易の方針として、カレントアクセス(CA)を含めてバター、脱粉とも1万3000㌧ずつ輸入すると発表した。実需者が調達計画を立てやすくするため、年度全体を通した輸入数量を1月の時点で示すなど運用を改善した。過不足については5月と9月に検証する。同日の記者会見で松本平牛乳乳製品課長は「現時点では十分足りると思っている」との見解を示した。


2014年秋にバター不足が問題化したことを受け、農水省は2015年度から1月にCAの輸入を決め、5月と9月に追加輸入が必要かどうか判断するよう運用を改善、輸入の予見性が高まったため、実需者から評価を得ていた。


しかしその一方、年間を通した輸入数量全体が不透明であり、年度全体の輸入量のメドを示してほしいとの要望もあり、今回から、それに応え1月時点で、年度全体の輸入枠を示した。入札については、基本的に毎月実施し、数量はバター・脱粉それぞれの需要量に応じて設定する。


運用を改善することで、乳業メーカーは計画的に輸入バターを業務用に、業務用向けに仕向けていた生乳を家庭用バターの生産に回すことで、家庭用バターの安定供給につながるとしている。


松本平牛乳乳製品課長は「需給調整弁である国産バターは、生乳生産の受け皿となる。その受け皿が確保されているため、酪農家には意欲をもって生乳の増産に努めてほしい」と述べ、メーカーは計画的な販売計画が立てやすくなることに加え、安定的に国産の家庭用バターが製造されることで現在よりも小売価格が下がることも期待されることから、今回の運用改善が生産者、乳業メーカー、消費者それぞれにメリットがあるとした。


輸入量の設定にあたり、農水省は各月ごとに過去6年間で最少の生産量と最大の消費量を使って試算。その結果、必要在庫量(翌月の消費量の2.5倍)と実際の在庫量の差が最も大きい2月の在庫量を見通すと、1年後の2018年2月末時点の在庫量7000㌧に対し、必要在庫量は1万9400㌧で、1万2400㌧下回る。そのため、1万3000㌧輸入することで必要在庫量を確保することとした。


脱粉も同様に試算した結果、在庫量2万2300㌧に対し、必要在庫量は3万4400㌧で、1万2100㌧不足することから、1万3000㌧の輸入を決めた。


松本課長は「来年度の需給は相当堅めに見通した。過不足ないと思うが、社会情勢、天候などを踏まえ、5月と9月に検証する」と説明した。


バター1万3000㌧は生乳換算で約16万㌧、脱粉1万3000㌧は約8万4000㌧に相当。合計24万5000㌧分の乳製品を輸入するため、CA枠の生乳換算13万7000㌧を超えることになる。


農水省は今後、乳製品の生産、流通、消費に関する情報交換会を開催し、入札に関するスケジュールや需給動向を広く周知することで、安定的に需要者の元に届くように対応する。


なお、今年度のバター・脱粉については、11月末時点の在庫量がともに高水準であり、年度内は必要在庫量を上回る水準は確保できると見ている。

「初妊牛が90~100万円に高騰」全酪連札幌支所の乳牛産地情報― 大型牧場の強い導入意欲が影響

2017-02-01

全酪連札幌支所によると、2月1日現在の初妊牛価格はやや強含みで推移し、90~100万円まで相場が高騰している。需要の高い春産み分娩が出回ることに加えて、年度内の導入を希望する動きが見込まれている(相場は血統登録牛中クラスで庭先選畜購買のため、市場購買とは異なる)。


また、育成牛(10~12月齢)は55~60万円でやや強含み、経産牛は55~65万円で横這い。同支所によると、大型牧場の導入意欲は道内外ともに強い状況が続く。

「生乳生産の減産はF1交配率の高さが懸念材料」― 長期化の恐れも

2017-02-01

2017年度の生乳需給見通しを踏まえて、今後の課題と対応についてJミルクの前田浩史専務は「生乳生産基盤の課題の中でポイントになるのは、F1交配率(乳用牛への黒毛和種の交配割合)が35.4%と高い水準にあること。このままの状況が続くと、毎年1%ずつ生乳生産量が減少する恐れがある」と述べ、生乳生産回復に向けた取り組みが急務と指摘した。農水省内での記者会見に同席、需給見通しを説明した上で述べたもの。


前田専務は「生産現場での取り組み、国の事業、さらには来年度より乳業者の財源を活用して実施する乳牛の輸入などの特別対策の実施することで乳用牛の資源確保を図り、生乳生産の回復を目指したい」と述べた。


また、2017年度の乳製品需給をめぐりJミルクは、「最近の国際乳製品市場が上昇基調に転じており、従来以上に需給が不安定になることが危惧されるため適時・適切な判断による輸入対応が必要」と指摘している。

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