全酪新報/2017年7月20日号

「日EU・EPA、政府が国内対策実施へ」――チーズ輸入枠拡大に懸念

2017-07-20

自民党日EU等経済協定対策本部(西川公也本部長)は7月11日、日本とEUのEPA大枠合意後初の会合を開き、政府から合意内容の説明を受け、出席した議員と意見を交わした。政府・与党は大枠合意の内容について「理解いただける範囲内」と説明した。今後、国内対策の実施に向けた準備を進める方針。出席議員からは、チーズの輸入枠拡大について、今後の影響を懸念した上で不安を払拭するための国内対策を求める意見が相次いだ。

お断り=本記事は7月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「ソフトチーズの関割数量拡大、脱粉・バターは輸入枠設定」――日EU・EPA乳製品合意の内容

2017-07-20

7月6日に大枠合意した日EU・EPAの中で、乳製品について、ソフト系チーズは横断的に関税割当数量を拡大。枠内税率は長期間かけて撤廃する。ホエイは関税を削減する。脱粉・バターは国家貿易を維持した上で、民間貿易によるEU枠を設定。数量については、近年の追加輸入数量の範囲内としている。


交渉の焦点となったチーズについては、ソフト系は横断的な関税割当で合意した。枠外の現行関税率(22.4%、29.8%、40%)は維持した上で、関税割当を初年度2万㌧、16年目に3万1千㌧とする。17年目以降の枠数量は、国内の消費動向を考慮して設定し、枠内税率は段階的に16年目に撤廃する。


一方、ハード系はTPPと同様に関税を撤廃。16年目にゼロにする。プロセス原料用は、国産抱き合わせ要件付き関税割当制度を維持する。


脱粉・バターは、生乳換算で初年度の合計数量1万2857㌧を6年目に1万5千㌧に拡大する。TPP合意では7万㌧の数量だった。農水省は「比較的限定的な枠に収められた」としている。また、脱粉との競合が懸念されるホエイ(タンパク質含量25~45%)は、関税削減にとどめ、11年目以降も初年度の関税水準の3割を維持した。

「農水省がTPP対策本部を改組」――日EUも総合的に検討

2017-07-20

日EU・EPA交渉の大枠合意を踏まえ、農水省は従来の農水省TPP対策本部を改組し、7月14日に「農水省TPP等対策本部」を設置した。今後、総合的な対策の検討作業を進める。


初会合で山本有二農相は、日EU・EPAの大枠合意について「乳製品の国家貿易制度などの基本制度の維持や、国境措置を確保できたと考えている。今後、諸外国との競争に勝つためには、国際競争力を強化し、輸出産業への成長を見出した強い農林水産業の構築が急務だ」と述べた。


その上で「首相を本部長とする政府TPP等総合対策本部で決定した、日EU・EPAの大枠合意を踏まえた総合的な政策対応に関する基本方針に沿い、万全な措置を講じるため、必要な対策の検討に全力を挙げる」と強調した。対策本部は、農相を本部長に、副大臣、大臣政務官、事務次官、農林水産審議官、官房長、局長、長官らで構成する。

「TPP早期発効に向けて方策を検討」――11カ国が事務レベル会合

2017-07-20

TPP等政府対策本部は7月12~14日の3日間、神奈川・箱根町で11カ国の主席交渉官クラスによる事務レベル会合を開催した。11カ国でTPPを早期に発効させるための方策について具体的に検討し、議論を深めたもの。


今回の会合の成果を踏まえ、8月末から9月上旬にかけて開催する予定の豪州会合でさらに議論を深め、11月のAPEC首脳会合に向け、スピード感を持って議論を前に進めることで認識が一致した。

「田中さん(福島県西郷村)に農水大臣賞、意見・体験発表は田村さん(北海道紋別市)」――酪青女全国大会、札幌に酪友520名参集

2017-07-20

全国酪農青年女性会議(半澤善幸委員長)と全酪連(砂金甚太郎会長)は7月13~14日の2日間、北海道・札幌の札幌ビューホテル大通公園で第46回全国酪農青年女性酪農発表大会を開催した。


大会では各地域会議から選ばれた代表者12名が発表した。経営発表の部の最優秀賞(農林水産大臣賞)は、雪割牧場(有)の田中進さん(福島県西郷村)、意見・体験発表の部は田村純子さん(北海道紋別市)が受賞した。また、経営発表の部で発表した長友佳奈美さん(宮崎県都城市)が審査委員長特別賞に選ばれた。当日は全国から酪友520名が参集して交流を深め盛り上がった。


主催者あいさつで半澤委員長は大会について「今日の発表を聞いて少しでも自身の元気にしてもらい、持ち帰って地元の酪農も元気にしてもらえたら日本の酪農は明るい」と述べ、その上で「一時の酪農情勢よりは良くなっているが、今の状況がいつまで続くかも分からない。新しい未来に投資してもらうことで次へのステップは必ず訪れる。そうすることで皆様や酪農業界の笑顔に繋がっていくと確信している」と力強く語った。


また、砂金会長は「酪農生産基盤の維持・拡大をしていくために、次代を担う後継者が希望をもって経営・承継出来るような環境作りに尽力していかねばならない。そのことが安心・安全な国産牛乳の供給に繋がるとともに、我々自身の仕事に対して誇りを持つことに繋がる」と述べた。

「農水省・金澤課長補佐、畜安法改正の政省令・局長通知は10月か」――楽酪事業、来年度も継続要求へ

2017-07-20

農水省牛乳乳製品課の金澤正尚課長補佐は、全国酪農協会が7月6日に札幌市内で開催した北海道地区酪農講演会の中で最近の酪農情勢を報告した。規制改革推進会議による生乳流通改革の中で、今後の動向が懸念される部分委託の取り扱いなどを含めた政省令、局長通知に関して「来年4月に施行されるため、現場での準備期間を考えると、半年前の10月の早い段階を目標にしている。その前のパブリックコメントの形で出した段階で準備をスタートすることも可能だと思う」と述べた。


また、政府の働き方改革の一環として昨年末に急きょ措置された楽酪事業(酪農経営体生産性向上緊急対策事業)については「継続の要望をいただいている。当初予算でスタートしたこともあり、当然ながら来年度に向けて要求していくことになる。早めに来年度の方向が見えれば、今回は要望を出せなかった酪農家も取り組めるといった意見をいただいている。8月の概算要求に向けて頑張っていきたい」との考えを示した。

「日本の畜産ネットワークが万全な対策求める」――日EU会合派遣団が報告会

2017-07-20

日本の畜産ネットワーク(事務局・中央畜産会)は7月10日、日EU・EPA首脳会合が開催されたベルギー・ブリュッセルに情報収集や要請のために派遣した代表団の報告会を開催した。


事務局は「要請してきた成果が認められたと受け止めている」と感想を述べた上で「しかし、影響面については未知数な部分がある。万全な国内対策を、拡充を含めて講じていただきたい」と今後の方針を説明した。


酪政連を代表して渡欧した佐藤哲副委員長は「議員からは再生産可能な農業を後押しすると言っていただいた。しかし、現実的な話として、チーズの価格が下がることを喜んでいる消費者の意見もある。影響が全くないとはいえないだろう。そのことを含めて再生産可能な農業の確立を要請の柱にしたい」と強調した。

「九州北部で記録的豪雨、酪農にも被害」――農水省が対策本部設置

2017-07-20

福岡県、大分県など九州北部を中心とする記録的な豪雨被害を受け、農水省は発生から5日目の7月10日、山本有二農相を本部長とする緊急自然災害対策本部を設置。第1回目の会合を開いた。


会合の冒頭、災害で亡くなられた方々のご冥福を祈り、約1分間黙祷。山本農相は「農水省として今後、農林水産関係の被害状況の迅速な把握や被害拡大の防止、および早期の復旧に向けて全力で取り組んでいく必要がある。速やかに被害状況の全容を把握し、被害に遭われた農林漁業者に寄り添って、1日も早い営農の再開に向け、一丸となって迅速かつ的確に必要な措置を講じ、災害対応に全力をあげるように指示する」と述べた。


酪農については、濁流に漬かった飼料の廃棄や、ストレスを受けた乳牛の乳量が落ち込んでいるなどの被害が報告されている。

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