全酪新報/2017年9月10日号

「改正畜安法の政省令案」を農水省が提示、年間販売計画の基準設定――現在パブコメ募集中、10月末に公布の見通し

2017-09-10

6月9日に成立した改正畜安法の2018年度当初からの施行に向け、農水省は新たな政省令案を9月5~6日に政府与党に報告し、了承を得た。9月6日夕より新たな政令・省令を公表、現在、パブリックコメントを募集している(10月5日締切)。省令では、補給金や集送乳調整金の交付要件として、現行の指定団体以外にも年間販売計画の提出や需給調整など、指定団体同様の機能を求める要件を定めた。政省令の公布は意見反映後の10月末となる見通し。

お断り=本記事は9月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「楽酪事業に新メニューに預託施設の省力化支援」――2018年度概算要求

2017-09-10

政府与党は8月31日までに、総額2兆6525億円とする2018年度の概算要求を取りまとめた。このうち、今年度から農水省が目玉事業として実施している「酪農経営体生産性向上緊急対策事業」(楽酪事業)は、2018年度も継続して60億円を要求した。酪農家の労働負担軽減、省力化に資する機器に対する現行の支援をはじめ、2018年度は預託施設の整備等を支援するメニューも事業内容に新たに追加した。


新メニューは、乳用後継牛の育成を担う預託施設に対し、乳用後継牛の受入体制を強化するため預託施設の整備等を支援するもの。対象となる機器・装置はパドックを拡げる際の電牧費用、簡易な施設の補改修、ほ乳ロボットの導入などで、補助率は2分の1以内。


畜産振興課は「単純に飼養頭数を増やすと労働負担が大きくなるので難しく、預託を受けてくれる牧場は高齢の方も多い。(同メニューは)そういった際の増頭の取り組みをお手伝いするもの」としており、預託牧場の省力化を支援するとともに、酪農家が後継牛を預託することにより育成の負担軽減を図る。


新メニューのほか、同事業では2018年度も引き続き▽搾乳ロボットや搾乳ユニット搬送レール、自動給餌機、発情発見装置など、労働負担軽減・省力化等に資する機械装置の導入▽搾乳作業の省力化のため、複数戸の酪農家が協業して搾乳作業を行う施設の整備――に対して支援する。いずれも補助率は2分の1以内。


同事業は政府が推進している働き方改革の一環として、2017年度予算から新規事業として実施している。

酪政連が齋藤農相と面会、2018年度酪農予算確保を要請 ― 佐々木委員長「家族経営が安心できる政策を」

2017-09-10

酪政連の佐々木勲委員長ら三役は9月6日、齋藤健農相と面会し、2018年度酪農政策と予算確保を要請した。改正畜安法への移行、国際化の進展など将来不安が一層深まる中、佐々木委員長は「中小の家族経営の酪農家が今後、安心して営農できる政策をお願いしたい」と求めた。それに対し、齋藤農相は「できる限りのことをする。そのために今まで副大臣や農林部会長として色々と経験を積んできた。安心して営農してほしい」と応えた。


酪政連は2018年度の対策について、生乳生産基盤の弱体化が抑止されるよう①乳用後継牛の確保対策②国産飼料の生産・利用拡大の強力な推進③改正畜安法への移行にあたり、補給金と集送乳調整金の適正・適格な交付④TPPや日EU・EPAなどに対応できる経営安定のための万全な対策⑤楽酪事業(酪農経営体生産性向上緊急事業)の継続と拡充⑥酪農ヘルパー事業への継続支援⑦畜産クラスター事業の拡充――などを要請した。

畜産・酪農対策委員長に赤澤亮正衆議――自民党農林関係の執行体制を決定

2017-09-10

自民党は9月5日付で農林関係部会の人事を発表した。酪農関連の政策を議論する畜産・酪農対策委員長には、赤澤亮正衆議(鳥取2区)が就任した。農林・食料戦略調査会は西川公也会長が続投。農林部会長は野村哲郎参議が務める。


また、農林・食料戦略調査会の幹事長は吉川貴盛衆議、事務総長には前農林部会長の小泉進次郎党筆頭副幹事長が就任した。吉川衆議は農協改革等検討委員会委員長、小泉筆頭副幹事長は農産物輸出促進対策委員会委員長も担当する。森山裕国会対策委員長(元農相)は特任顧問となった。


そのほか、畜産・酪農対策委員会委員長代理には井野俊郎衆議、事務局長には宮路拓馬衆議、事務局次長には藤木眞也参議が就任した。前畜産・酪農対策小委員会の坂本哲志委員長は農業基本政策検討委員会委員長代理を務める。

「2016年の田畑作付延べ面積1%減少」 ― 飼肥料作物は1万㌶増

2017-09-10

農水省は8月29日、2016年の農作物作付(栽培)延べ面積と耕地利用率を取りまとめた。それによると、全国の田畑合計の作付延べ面積は410万2千㌶で、飼肥料作物、雑穀(乾燥子実)などの作付面積は増加したものの、水稲の作付面積が減少したことから、2万5千㌶、1%減少した。耕地利用率は91.7%で前年並みだった。飼肥料作物の田畑合計の作付延べ面積は108万2千㌶で1万㌶増加した。


田の作付延べ面積は225万7千㌶。水稲は147万8千㌶で2%減少したものの、飼肥料作物は26万9千㌶で7%増加したことなどにより、前年並みだった。田の耕地利用率は92.8%で前年に比べ0.3ポイント上昇した。


一方、畑の作付延べ面積は184万5千㌶で1%減少。雑穀は2万4千㌶で4%増加したが、飼肥料作物は81万2千㌶で1%減少だったことなどによる。耕地利用率は90.5%で0.4ポイント低下した。


1万㌶増加した飼肥料作物の作付延べ面積のうち、北海道は64万7千㌶で4千㌶減少した一方、都府県は43万4千㌶で1万3千㌶増加した。


なお、統計数値については、四捨五入の関係で合計値と内訳の計が一致しない場合がある。

≪代々木通信≫コメ中心だった日本農業、「酪農」を軸に再編可能

2017-09-10

全国酪農協会主催のヨーロッパ酪農視察研修が9月4日~12日の日程で実施されている。ひと口にヨーロッパと言っても、土地条件、風土は様々で、その地域に根ざした酪農文化が形成されており、それぞれ誇りを持って牧場が営まれている。私も幾たびかヨーロッパ酪農を見る機会があったが、各地域社会に深く根ざした酪農経営を目の当たりにして、多くのことを学んだ気がする。


日本の酪農がどこへ向かうのか、自分なりに長い間考えてきた。この歳になって見えてきたのは、高齢化で戸数が減っているのは、じつは酪農だけの特殊な事情ではないということ。地元を見れば、コメ農家も野菜農家も担い手不足は明らかで、見方によっては、酪農以上に不安定な状況になっている。農地の管理者が大きく減少し、いなくなってしまうのではないかという不安な状況が迫っている。


酪農家として思うのは、この困った状況の打開策を考える上で、酪農が役に立てるということ。もちろん、それは私の地元だけではなく、日本中いたるところ、酪農のあるところならどこでもだ。


というのも、たいていの酪農家には大型トラクターがある。牧草や飼料の収穫機一式がそろっている。コメを作る人、畑を耕す人がいないなら、私たち酪農家が農地を守ろうじゃないですか。


弥生時代からのコメ中心の意識を変えるのは容易ではないし、コメ作りと深く結びついた日本の文化・歴史は尊重すべきで、決して軽んじてはならないが、日本の農業を徐々に酪農を軸とした構造に変えていく。耕作者のいなくなった農地で、酪農が中心となって牧草や飼料イネ、飼料作物栽培を通じて維持するのをみれば、農村住民も行政も意識改革が進むのではないか。


もちろん、酪農家も意識を変えなければならない。戦後、日本の酪農は大まかにいえばアメリカの背中を追いかけることで、短期間で飛躍的に発展したわけだが、日本の国土を生かした酪農に転換するなら、飼料も日本でとれるもの中心になる。となると、今まで目指してきた乳量・体型には及ばないことになろう。ひょっとしたらホルスタイン以外の品種がふさわしい場合があるかもしれない。ここで強調しておきたいのは、企業的な大規模経営を否定するつもりは全くないということ。山地が3分の2を占める日本において、各地の農山村の自然・社会と共存する日本なりの酪農の形があるはず、というのが私の思いだ。


これらのことは短期間で解決できるものではなく何十年あるいは百年単位での見直しになると思う。冒頭ふれた、ヨーロッパの酪農を見ることが、これらのことを考える上でのヒントになる気がする。今回のツアー参加者にも各国の酪農家のありようを学んできてほしいと思う。(全国酪農協会会長・馬瀬口弘志)

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