全酪新報/2017年10月1日号

「乳製品の需給安定、輸入枠変更せず」農水省――年度末までの必要在庫を確保

2017-10-01

農水省は9月29日、バターと脱脂粉乳需給が安定している状況を踏まえ、年度内の輸入枠を変更しないことを決めた。生乳生産量が減少する中、飲用向けが前年度を上回り堅調に推移し、乳製品向けの生乳は減少。その結果、バター・脱粉とも生産量は減少しているが、追加輸入の実施により必要な在庫を確保していることから判断した。前回(5月)の検証時には、バター需給は安定して推移すると見込み、年度当初のバター輸入枠は変更しない一方、脱粉については、はっ酵乳需要が堅調な状況などを踏まえ、夏場の需要期前に年度当初の輸入枠に加え、追加の輸入枠を設定していた。

お断り=本記事は10月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「初妊牛やや強含み、87~95万円」――性選別需要増も資源はタイト

2017-10-01

全酪連札幌支所によると、10月1日現在の初妊牛価格は87~95万円でやや強含み。性選別腹の需要が増大し、流通する資源は非常にタイトな状態にある。一方、育成牛(10~12月齢)と経産牛はともに52~62万円でやや弱含みと予測している。相場は庭先選畜による予想のため、市場平均価格とは異なる。


10月の初妊牛動向は、12月から来年2月上旬腹が中心。涼しくなる10月から道内外のメガ・ギガファームを中心に活発化が予想される。しかし、道内の会員農協によると、資源は例年並みの見通し。道内は2年連続で台風が来襲し、生乳生産量が減少した。そのため、搾乳素牛資源にどのような影響があるのか、今後注視していく必要がある。

「全酪連、10~12月期の配合飼料1㌧当たり200円値下げ」――トウモロコシ下げ、大豆粕は上昇

2017-10-01

全酪連は9月25日、10~12月期(第3四半期)の牛用配合飼料価格を前期(7~9月)に比べ、全銘柄平均1㌧当たり200円値下げした。大豆粕など糟糠類価格は上昇したが、トウモロコシ価格が値を下げたことが要因。2期続いての値下げとなった。


海上運賃の値上がりのほか、主原料のトウモロコシのシカゴ相場の値下がり、大豆粕やグルテンフィード、大麦等の価格の上昇などの原料動向によるもの。


哺育飼料価格は1㌧当たり2万7千円値上げした。脱粉やホエイの輸入価格の上昇が主な要因。


全農配合飼料 400円下げ


JA全農も9月22日、同期の配合飼料価格を全国全畜種総平均1㌧当たり約400円値下げすると発表した。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なる。

「将来見据えた基盤強化へ、組合あげて担い手育成」――鹿児島県酪農協・橋口弘組合長に聞く

2017-10-01

2017年6月に組合長に就任した鹿児島県酪農協の橋口弘組合長(73歳)に当面の課題と対応策などを聞いた。橋口組合長は生乳生産基盤の強化に向け、担い手となる人材の育成やヘルパー要員確保などの諸対策を進めている。また、離農した酪農家の施設を新規就農者や規模拡大する第三者に継承できる仕組みづくりを今後の検討課題に掲げている。


――県内の生乳生産動向は。


2016年度の生乳生産量は8万6841㌧、で対前年比4.8%減少した。2017年度に入ってからも5%程度の減少が続いている。見通しでは5%減の8万2500㌧だが、組合では8万4000㌧の計画目標達成に向けて取り組んでいるところだ。生乳出荷戸数は175戸(6戸減少・2017年3月末時点)。生乳生産量の落ち込みは酪農家の減少に伴って経産牛が減少していることが主な要因だ。


――生産基盤強化への取り組みは。


酪農家が減少するのは担い手がいなこと。その一方で、酪農を続けたいが長期治療が必要な病気やケガで廃業を余儀なくされることもある。そこで組合では生産基盤を維持するために担い手確保や担い手となる人材育成活動に取り組んでいる。すぐに効果が出ることではないが、将来を見据えて酪農家の子どもたちに酪農への魅力に気づいてもらい、興味を持ってもらうことで担い手となる意識作りを目的に「キッズ交流会」を開催している。


そのほか、青年部活動を支援し、酪農技術を磨くための研修会などを開いている。また、経営難による離農を防ぐため、経営指導を積極的に行っている。経営環境が厳しいところは少しずつ経営改善が図られているところだ。


――ヘルパー要員確保の取り組みは。


酪農ヘルパーは、職安での募集のほか、農業大学校に赴き直接学生にヘルパー募集を呼びかけている。


現在、酪農ヘルパーは専任19人と臨時11人。ヘルパー利用組合であるデーリィサポートかごしまが運営している。ヘルパーの利用状況は酪農家の高齢化の影響もあり、傷病時の利用が増えている。そのため、利用を断らざるを得ないことがあり、要員は不足している。なかなかヘルパー要員を確保するのは難しい。また、雇用環境面での不安から将来展望を見通せず辞めていくヘルパーもいる。長く続けてもらうために出来るところから待遇面の改善を進めている。


――検討課題などは。


酪農の担い手確保と経営継承のあり方が組合にとって大きな課題だ。離農する酪農家が後を絶たない一方で、就農を志している人は多い。そういった人たちには、時間をかけて育てていき、離農する農家を継承する形で減少に歯止めをかけたい。組合として人材育成に取り組む時期に来ていると感じている。そのためには、酪農ヘルパー要員の中から探すのが一番の近道になる。いきなり新規就農はハードルが高い面がある。酪農に興味がある人は酪農ヘルパーで経験を積んでほしい。


一つの例を紹介すると、ヘルパー要員が3年前に酪農経営を引き継いだことがある。それまで千葉県の酪農家に勤めていたが、自分の牧場を持ちたいと考え鹿児島をその地に選んだ。鹿児島のヘルパー組合で酪農経験を積む中、3年目に就農するのに適した土地が見つかった。導入した乳牛30頭や機械設備は、廃業した酪農家から受け入れたため初期投資を抑えることができた。


今、経営は上手くいっている。ヘルパー時代は目的があったから仕事をしっかりこなして、農家の受けもよかった。農家減少に歯止めをかけ生産基盤を支えて行くための理想の形だった。


――鹿児島酪農の発展へ抱負を。


生産基盤維持・強化への取り組みを引き続き進めていく。それと同時に、次の3点の取り組みも進めていく。1つ目は、酪農経営を引き継ぐ人材育成。ヘルパー要員の中からそういう人材について時間をかけて育てていきたい。2つ目は、牛舎の規模を最大限活かした増産への取り組み。飼養頭数が牛舎の規模を下回り、牛舎に空きがある酪農家もいる。施設があるのに未利用部分があるのは一番もったいないことだ。増頭を進めたい。


3つ目は、空いた施設の組合運営。廃業した酪農家では牧場施設はあるが稼働していない。そこに新規就農する人材が見つかるまで組合が借り受けて稼働させる。そのような形で生乳生産量を今よりも減少させないような取り組みが必要だ。


橋口弘(はしぐち ひろし)氏=姶良酪農連絡協議会会長、デーリィサポートかごしま組合長などを歴任し、2017年6月より現職。橋口牧場では経産牛30頭を飼養。牛には負担をかけず無理をさせない経営方針を貫き、乳量よりも長命連産に重きを置いている。

「宮城県亘理でも、もーもースクール」開催――毎年恒例、被災児童の心癒す

2017-10-01

東北生乳販連と酪農教育ファーム東北地区推進委員会は9月15日、地域交流牧場全国連絡会(事務局=中酪)の協力のもと宮城・亘理町立荒浜小学校(千葉一夫校長、児童数100名)で「もーもースクールin荒浜」を開校。同校の全学年の児童を対象に多くの酪農家が参加・協力して搾乳体験をはじめ、子牛のお散歩、バター作り体験、牛の一生や飼料の説明等を実施した。体験を通じて子ども達は牛や牛乳の温かさに感動するとともに、命の大切さや日々の食事のありがたさを学んだ。同販連の東日本大震災復興支援事業の一環として例年行っているもの。


当日行われた催しのうち搾乳体験では、子ども達は牛の体の大きさや牛乳の出る勢いに大はしゃぎ。自分の番の体験が終わっても牛から離れず、牛に触れては「あたたかい」、「すべすべして気持ちいい」、「可愛いから連れて帰りたい」と一様に笑顔。青空に子ども達の歓声が響いた。


もーもースクール開校にあたり、森脇康生教頭は「本日の体験は皆にとってとても貴重なものになる。しっかりと覚えておいてほしい」と子ども達に呼びかけた。この取り組みは、東日本大震災で被災した子ども達の心の傷を癒すことも目的のひとつ。今年度は9~11月にかけて合わせて計4校で出前型酪農体験(もーもースクール)を実施する方針で、すでに体験を終えた岩手、宮城の小学校のほか、福島県南相馬市の大みか小学校(11月14日)、熊本県熊本市の力合小学校(11月28日)で出前授業を行う予定。

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