全酪新報/2017年11月1日号

「改正畜安法の政省令公布、局長通知発出」――年間販売計画の基準決定、従来通りの全量委託可能

2017-11-01

農水省は10月27日、2018年4月に施行される畜産経営の安定に関する法律(畜安法)の一部を改正することに伴う政省令を公布した。合わせて同日付で生産局長通知を関係機関・団体に発出した。政省令には、年間販売計画の基準や集送乳調整金の交付要件などを記載。局長通知には、留意事項や年間販売計画書の様式などを定めた。年間販売計画の提出期限は2月下旬を予定している。引き続き現行の指定団体を通じて生乳を販売する場合は、当事者間の合意があれば『従来通り』の全量委託は可能となる。農水省は生産者や事業者等の疑問点や相談を受けるための問合せ窓口を開設した。

お断り=本記事は11月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「初妊牛横這い、85~95万円」メガ・ギガ牧場が相場引っ張る――全酪連乳牛産地情報

2017-11-01

全酪連札幌支所によると、11月1日現在の初妊牛価格は85~95万円で横這い。年度当初に高騰した価格を下回っている一方、今後は道内の酪農家、道内外のメガ・ギガファームの大型導入が相場を引っ張ると予想している。育成牛(10~12月齢)は52~60万円で横這い、経産牛は53~63万円でともに横這いを見込んでいる。


11月は1~3月上旬腹が中心。腹別ではFIを中心とする取引になるが、資源的にも非常にタイトな状態にある雌雄選別腹を希望する注文も昨年以上に多くなっている。この時期は都府県会員からの需要も集中することから、分娩月や価格に対して余裕を持った注文を呼びかけている。

「国産牛乳の愛飲、酪農理解求める」――酪青女委員と全酪連役職員が東京・有楽町で街頭活動

2017-11-01

全国酪農青年女性会議と全酪連は10月20日、東京・有楽町駅前の広場で酪農理解醸成活動を行った。活動には全国から各地域ブロックの酪青女委員22名が協力し、全酪連役職員など関係者含め約30名が参加。半澤委員長はじめ、酪農家1人1人が通行人に対して国産牛乳の愛飲と酪農への理解を力強く呼びかけた。


駅前広場では、日本酪農の果たしている重要な役割や牛乳の健康機能などを伝えるチラシ、簡単なミルクレシピが書かれたまな板を合わせて5千点配布。酪農家の仕事内容を紹介する展示パネル等のほか、等身大の牛の模型も設置したところ、通行人の多くは駅前に現れた等身大の牛の模型に釘づけで、スマートフォンで写真を撮ったり、模型に触ったりと大人気だった。


「毎日飲もう1日1杯」など、消費者へのメッセージが書かれた牛柄のハッピを着て参加した酪農家は、それぞれが積極的に通行人に声掛け。街頭で半澤善幸委員長は「私達が心を込めて搾っている牛乳をたくさん美味しく飲んでほしい。何よりもそのことが励みになる。どうか全国の酪農家を応援していただきたい」と国産牛乳と日本酪農に理解を求めた。

「NZ・豪州視察で感じたこと」北海道、伊達市農協・佐藤哲組合長

2017-11-01

北海道・伊達市農協の佐藤哲組合長(北海道酪農協会会長、酪政連副委員長)は、中央酪農会議が10月4日~13日の10日間にわたって実施した第41回酪農海外現地実務研修会に参加し、ニュージーランド(NZ)と豪州の生産現場や乳業メーカー等を視察した。同氏に乳製品の国際市況の影響を大きく受ける両国の現状や展望、経営戦略について話を聞いた。佐藤組合長は視察を通じて「NZや豪州の酪農は参考になるが、真似は出来ない。自分の地域・地形・天候に適した酪農をするのが重要。それを伸ばしていくことが酪農を発展させていく上で一番大切だ」と強調した。


農水省牛乳乳製品課によると、2015/16年度(7月~翌6月)のNZ・豪州は、▽気候の悪化▽EUのクォータ制度の廃止に伴う生乳生産量の増加▽ロシアの禁輸措置▽中国の全粉乳の急激な需要低下――などにより、国際乳製品価格や乳価は下落した。2017/18年度にかけて徐々に乳価や乳量は回復し、今後の国際相場は堅調な推移を見通しているが、元の水準には戻りきっていない。


2016年の豪州の飼養戸数は6千戸と年々減少している一方、1戸当たりの飼養頭数は平均273頭と増加傾向で推移。現在の1頭当たり乳量は約6千㌔だが、1頭当たり乳量を増やす方向で取り組みを進めている。


他方、NZの直近(10月2日時点)の飼養頭数は660万頭、1戸当たりの飼養頭数は平均419頭。全体の飼養頭数は頭打ちだが、豪州同様に1頭当たり乳量増を図る考えだ。


佐藤組合長は「NZや豪州と日本の酪農は『土俵』が違う。これでは国際競争力がどうのこうのという話にもならない。もう一つは、NZと豪州は国際相場に左右され経営が赤字になることがままあるが、今は上がってきても一度下がったものは回復しきれていないことがよく分かった」と現地を視察した印象を話した。


また、2018年4月からの施行を目指す改正畜安法について触れ、「これにより指定生乳生産者団体を守ったのは、日本にとって本当に正しかった。これがないと日本の酪農家は安心して営農出来ないということを視察して心から感じた」と法改正の結果を評価した。


酪農の安定的な発展に向けて佐藤組合長は「加工原料乳のコストを計算した価格決定が非常に重要だ。これを死守しないとNZと豪州のように国際競争に晒されてしまう」と指摘。その上で「飲用と加工を生産している国と加工のみの国の生産コストは決定的に違うため、どんなことをしても勝てない。そのため、日本は安心・安全な乳製品を国民に届けるという、今のやり方を続けることが日本の酪農の発展には絶対必要だ」と語気を強めた。


そのほか、研修会では、生産現場において地域によってはスタックサイレージやコントラクターを活用するなど、地域に適した酪農経営を展開している様子を視察。佐藤組合長は「自分の地域・地形・天候にあった酪農をすることが重要で、それを伸ばしていくことが酪農を発展させていく上で一番大切だ。その地域に合ったやり方をとことん勉強したほうがいい」と話した。


同研修会は、乳製品の国際市場への影響や日本との関係性も強いNZ・豪州について、その時々の酪農経営の現状と展望を視察するもので、例年開催している。今年はNZ・豪州それぞれで牧場を視察したほか、NZでは最大手の乳業メーカーであるフォンテラやデーリーニュージーランド(調査等間接支援団体)、豪州ではデーリーオーストラリアや農協系乳業メーカーのマレーゴールバン等を訪問した。

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