全酪新報/2017年11月20日号

「TPP米国抜きで11カ国で大筋合意」――政府・与党近く国内対策取りまとめ

2017-11-20

米国を除くTPP11カ国は11月10日、ベトナム・ダナンで閣僚会合を開催し、20項目を凍結項目とした形で大筋合意した。交渉は日本が主導して進め、農産物の関税に関して生産者の不安に配慮し、米国を含む12カ国によるTPP協定の発効が見込まれない場合には、協定の見直しを行う規定を新設。米国の動向次第では、農産物の関税割当やセーフガードについても必要な調整を行えることになった。政府・与党は近く国内対策を取りまとめる。

お断り=本記事は11月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「明治イノベーションセンター竣工」東京・八王子に研究所集約――川村社長「次の100年へのスタート」

2017-11-20

㈱明治(川村和夫社長)は11月15日、東京・八王子市に建設した中核拠点となる研究所「明治イノベーションセンター」を竣工披露した。同センターは現在、2カ所ある研究所を約200億円投資して集約統合した研究所で、今後、半年ほどかけて機材などを搬入。徐々に機能を移転し、18年度から研究員約500名体制で本格的にスタートする。川村社長は「明治グループは昨年10月、創業100周年を迎えた。新しい研究所は次の100年へのスタートを切るために作り上げた。明治にしかできないオンリーワンの価値を提供し、日本や世界で成長し続けたい」と抱負を述べた。


明治イノベーションセンター周辺は、新興住宅街が広がる非常に環境に恵まれた地域で、敷地面積は4万452平米、延床面積は3万6829平米と広大。16年6月に着工し、17年10月に完成した。センターは研究棟とパイロットプラント棟の2棟で構成している。


明治の研究所は現在、神奈川・小田原市(乳・乳製品中心)と埼玉・鶴ヶ島市(菓子中心)の2カ所あるが、このほどのセンター竣工により八王子市に研究開発機能を集約統合。センターは東京・中央区の本社、小田原、鶴ヶ島といずれも40㌔の距離にあり、今後は本社との連携とアクセスがしやすくなる。


研究棟の建物の構造は、研究室をフロアの最も外側、デスクをその内側、コミュニケーションエリアを中心に配置。ドーナツ状にすることで、研究員同士の知の融合やコミュニケーションの促進を図る。また、5階建ての低階層にすることで上下移動が短くなるよう工夫し、別のフロアにある異なる技術領域との連携を取りやすくした。


明治が保有する約5千株の乳酸菌は、最もセキュリティが厳しく、顔認証システムで限られた社員しか入室できない乳酸菌ライブラリー室に保管。乳製品、菓子など研究開発した商品は、隣接するパイロットプラントで試作できる。


川村社長は「明治の強味である乳、カカオ、乳酸菌、栄養設計に関する社内外の知見と融合発展させながら、明治の潜在的な成長力を引き出し、次なるステージに進みたい」と意気込みを述べた。

黒澤賞に原田敦さん(北海道標茶町)――日本酪農青年研究連盟が札幌市で全国大会開催

2017-11-20

日本酪農青年研究連盟(山本隆委員長)は11月15日、札幌市内で第69回日本酪農研究会を開催。酪農家など関係者450が参加し、6名の酪農家が自身の経営や酪農への思いを発表。原田敦さん(北海道標茶町)が黒澤賞(最優秀賞)を受賞した。


最優秀賞を受賞した原田さんの牧場は、210頭の乳牛を飼養する道内でも大規模な酪農経営。カウコンフォートを大切にして牛舎等の増改築に努めるほか、保有する91㌶の牧草地の草地更新にも力を入れている。


審査委員長を務めた秋田県立大学生物資源科学部の鵜川洋樹教授は原田さんの経営について「経営の成果は極めて高く、発表者の中では収益性は最も高くコストは低くて家畜生産性と財務の安全性も高い。繁殖成績や乳質も非常に良好だった。今後は雇用労働力の導入に向けて、オールインワン牛舎にさらに改築されるということに加え、作業の簡便化とマニュアル化、これまで取り組んできた草地の雑草対策や飼養管理の効率化をさらに進めるということで、これらの完成度に期待している」と高く評価した。


原田さんは「家族や地域の先輩方みんなに支えられていただいた賞。なかでも、一番頑張ってくれたのは牛で、投資した分にしっかり応えてくれた」と受賞の喜びを語った。


今後は経営のバランスを大切にしながら、さらなる省力化を図るとともに、搾乳ロボットの導入も検討していく考えだ(各発表概要は次号以降掲載)。

自民党農林・食料戦略調査会の新会長に塩野谷立氏が就任

2017-11-20

自民党の塩谷立衆議は11月2日付で農林・食料戦略調査会の会長に就任。また、西川公也元農相は11月8日付で内閣官房参与兼TPP・日EU等経済協定対策本部の顧問に就任した。


塩谷会長は11月9日の農林・食料戦略調査会、農林部会など合同会議の冒頭、18年度農林・食品関係税制改正に関して「税制の取りまとめまでに一つでも多く実現するべく努力したい。この大事な一カ月を皆さんとともにしっかり頑張りたい」と抱負を述べた。

「明治おいしい牛乳」関東でも新容器で発売――都内でPRイベント開く

2017-11-20

㈱明治は11月7日、新容器を採用した「明治おいしい牛乳(900㍉㍑)」を関東・甲信越エリアで発売。11~12日に都内で新発売記念イベントを開催した。明治ホールディングスの18年3月期第2四半期決算発表の席上、同社は「すでに販売を展開している九州から中部までの状況は非常に堅調」とコメントした。


都内でのイベントでは、東京・丸の内のJPタワー・KITTE1階のアトリウムに、牛乳の試飲ゾーンや商品紹介ゾーン、商品フォトブースなどを設置し、消費者にPRした。


新容器は開けやすく注ぎやすい口の広いプラスチック製のキャップ付き。容器内に満了充填するため、中身が空気と触れにくいことから、新鮮な生乳のおいしさが長持ちするのが特長。昨年、9月に全国で先駆けて九州で発売して以降、徐々に販売エリアを拡大している。


16年度の明治おいしい牛乳の売上高は579億円で、前年よりも0・9%増加した。今年度は上期の段階で309億円、2・4%増と堅調に推移している。

「安全安心、安定供給が最重要」――雪印メグミルク・西尾社長が改正畜安法に言及

2017-11-20

雪印メグミルク㈱の西尾啓治社長は11月9日、18年3月期第2四半期決算説明会の席上、18年4月より施行される改正畜安法について触れ、指定団体以外にも生乳取引先の『選択肢』が拡がることに関して「生乳取引が多様化することになっていくと認識しているが、そのなかでも私ども乳業メーカーとしては、消費者の皆様に安定的に、安心安全な牛乳・乳製品を提供することが最も重要だ」との認識を示した。


また、西尾社長は「新しい制度のもとでの生乳取引において、酪農家間の公平性が確保されて、量・価格・品質の3点の安定がしっかり確保される制度になることを期待している」と述べ、その都度上がってくる課題に応じた改善の必要性を強調した。

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