全酪新報/2018年4月10日号

「加工原料乳補給金、交付対象拡大92事業者に配分」――新規事業者は1万4千㌧超、集送乳調整金は旧指定団体に

2018-04-10

農水省は4月2日、今年度(4月)より施行された改正畜安法(畜産経営の安定に関する法律)に基づき、申請のあった第1~3号対象事業者合わせて92事業者に対して2018年度加工原料乳生産者補給金の交付対象数量(限度数量)328万㌧を配分した。法改正で新たに規定された交付対象の拡大に伴い、従来の指定団体以外の新規対象事業者に対し1万4327㌧を配分した。補給金と集送乳調整金を受給できる指定事業者は、引き続き旧指定団体が担う。

お断り=本記事は4月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「乳業工場数は575で前年と同じ」農水省調べ――小規模な飲用牛乳工場増加

2018-04-10

農水省統計部はこのほど、2017年牛乳乳製品統計(基礎調査)を公表した。それによると、2017年12月31日現在の飲用牛乳工場・乳製品工場数は575工場で前年と同じ。製造種別では、飲用牛乳工場は378工場で、前年より10工場増(構成比65.7%)。乳製品工場は9工場減の147工場(25.6%)だった。全体での工場数に変化はなかったが、2017年は飲用牛乳工場が増加傾向で推移し、そのうち特に生乳処理用2㌧未満の工場が増加した。


生乳処理量規模別では1日当たりの生乳処理量2㌧以上の飲用牛乳工場は197工場(1工場増)で、乳製品工場は40工場(5工場減)。一方、生乳処理量2㌧未満の飲用牛乳工場は181工場(9工場増)、乳製品工場は107工場(4工場減)だった。


用途別では、牛乳等を製造した工場は448工場(13工場増)で、乳製品を製造した工場は315工場(8工場増)。堅調が続く牛乳消費、プロバイオティクスを中心とする好調なはっ酵乳需要を背景に、牛乳を製造した工場は382工場で9工場増。はっ酵乳を製造した工場は258工場で8工場増だった。


一方、加工乳・成分調整牛乳を製造した工場は112工場(前年同)、乳飲料を製造した工場は221工場(2工場減)。


なお、乳製品を製造した工場では、クリーム、加糖れん乳、脱脂加糖れん乳で微増し、チーズは167工場で8工場増と前年を大きく上回った。


このほか、経営組織別では545工場(前年同)のうち、会社組織が449工場(8工場増)、農協35工場(3工場減)、個人・その他91工場(5工場減)。


工場の常用従業者数規模別の工場数は、4人以下は115工場(6工場増)、5~9人は89工場(6工場減)、10~19人が78工場(1工場増)、20~29人は34工場(1工場増)、30人以上は259工場(2工場増)だった。


国が策定した2020年度を目標とする酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針(酪肉近)では、1日当たり生乳処理量2㌧以上の飲用牛乳工場数は191工場程度、乳製品工場数は34~38工場に合理化するよう、再編整備を推進している。

「共販軸の生乳流通が重要、欧米は全量出荷が基本」――中酪・内橋事務局長

2018-04-10

中央酪農会議の内橋政敏事務局長は、3月23日に開催された酪農教育ファーム推進委員会の冒頭、最近の酪農情勢を説明。その中で4月から改正畜安法に基づく新しい補給金制度に移行したことについて「酪農家の選択肢が増えた制度改正であるが、中央酪農会議は指定団体の共販を軸とした生乳流通の重要性と意義を丁寧に説明することで理解を求めていく」と強調した。


内橋事務局長は「法改正、具体的な運用に関する議論の中で、酪農家間の公平性、効率的な集送乳の観点から懸念された二股出荷、新たな事業者の参入といった動きが一部の地域で起こっている」とした上で「欧米では、酪農家が乳業者と直接契約を交わす場合において、1年ごとに販売先を変えることはある。ただし、全量出荷が基本。乳業者は生乳の量、価格、品質を担保し、効率的且つ計画的な集送乳の観点から当然のことと認識していると聞いている」と欧米の生乳取引の形態を紹介した。

「F1交配率は北海道、都府県ともに低下」――性判別は上昇、13.6%に

2018-04-10

日本家畜人工授精師協会と乳用牛群検定全国協議会はこのほど、2017年10~12月期の乳用牛への黒毛和種の交配状況(F1交配率)を発表。全国の平均交配率は32.5%で、前期(17年7~9月)比2.4㌽、前年同期比1.2㌽それぞれ低下。北海道、都府県とも低下した。また、全国の性判別精液の割合は13.6%で、前期比0.8㌽、前年同期比3.6㌽それぞれ上昇。取りまとめ公表以来、右肩上がりで推移している。


F1交配率が生乳生産に影響を与え始めるのは妊娠・育成期間を経た3年後となる。

「経営状況良好も落とし穴あり」――北酪・佐藤哲会長が注意喚起

2018-04-10

3月27日に開催された第46回北海道酪農経営発表大会で、来賓あいさつした北海道酪農協会の佐藤哲会長は「酪農は非常に良い状況と言われているが、良い状況は長く続かない」と強調。18年度の北海道の生乳生産量は前年度を上回ると予測されるなど明るい兆しが見える中、「良い状況だからこそ落とし穴があり、油断すると必ず値崩れが起こる。その時に耐えられる経営に備えてほしい」と呼びかけた。


そのほか、酪農経営に関して「コスト計算を怠けると、『良い経営でも実は赤字だった』ということはよくある。計算を徹底してほしい」と対応を求めた。

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