全酪新報/2019年5月10日号

「牛乳消費量4年連続増加」2018年度牛乳統計――生乳生産はわずかに下回る、都府県の生産量10年間で16%減

2019-05-10

農水省統計部が4月25日に公表した牛乳乳製品統計によると、2018年度の牛乳消費は堅調で、4年連続増加した。全国の生乳生産量は、前年度をわずかに下回った。過去10年間を見ると、北海道の生乳生産量は2010年度に都府県を上回り、その後は多少の増減があったものの安定的に推移。2018年度は過去最高を記録した。一方、都府県は2012年度以外低迷しており、10年前に比べて16%ほど減少した。

お断り=本記事は5月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「農水省畜産部会が酪肉近策定に向け意見聴取」――肉牛経営も人手不足が深刻

2019-05-10

農水省は4月22日、東京都内で食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、2030年度を目標とする新たな酪肉近(酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針)の策定に向け、肉用牛農家と関係者から意見を聴取した。酪農経営のみならず、肉用牛経営も現場の人手不足が深刻で、規模拡大を妨げる要因になっている実情などが報告された。


冒頭、農水省の富田育稔畜産部長は、おおむね5年ごとに見直している酪肉近について「従来から食料・農業・農村基本計画と整合性を取り、同時期に見直している。畜産部会では、畜産農家をはじめとする関係者から現場の意見を聞きながら、今後の酪農・肉用牛生産が果たすべき姿を検討したい」と述べた。


また、三輪泰史部会長(日本総合研究所創発戦略センターエクスパート)は「畜産部会は酪農家、畜産農家に寄り添い、素晴らしい畜産物を消費者に届けるという大きな使命の中、あるべき姿を論じていただきたい」と出席者に求めた。


ヒアリングに協力したのは、農事組合法人伍協牧場(岡山県奈義町)の花房尚徳理事、宮崎中央農協(宮崎県宮崎市)の木下保洋畜産部長、牧舎みねむら(長野県東御市)の峯村誠太郎代表の3氏。肉用牛経営も酪農経営と同様、人手不足により雇用が確保できないため、規模拡大が困難であるといった実情や、資金的なハードルの高さから新規就農者や担い手確保が難しいといった課題が挙げられた。


畜産部会は今後、1カ月に1回のペースで畜産農家や関係者からヒアリングを実施。秋に諮問した後に酪肉近の策定に向けて議論を進める。

「防疫体制強化が重要」𠮷川農相――衛生主任者会議で強調

2019-05-10

𠮷川貴盛農相は4月25日、農水省が都内で開いた19年度全国家畜衛生主任者会議に出席し、水際防疫や家畜衛生管理体制強化の重要性を強調。飼養衛生管理基準の順守徹底、改善指導、早期通報の徹底指導、有事に備えた防疫演習を求めた上で「家畜伝染病発生の未然防止と発生に備えた防疫対応強化につなげていただきたい」と各都道府県や関係団体の担当者ら225名に呼び掛けた。


また、𠮷川農相は口蹄疫など越境性動物疾病に関しても、国内への侵入リスクが増大しつつあるとした上で「こうした脅威へ確実に対応するため、農水省では検疫探知犬の増頭や税関などと連携した旅客の携帯品検査の強化、違法畜産物の持ち込みに対する警告書の発出など家伝法への違反事案への厳格化、航空機内アナウンスなどを実施している」と説明した。


さらに、𠮷川農相は国内における家畜衛生の強化が国産畜産物の輸出促進につながることを強調。「現在、複数の国と輸出解禁協議を進めているが、その中でも家畜衛生体制や農家の飼養衛生管理基準の徹底が極めて重要。引き続き国内の家畜衛生の強化を図り、畜産物の輸出拡大を促進していきたい」と述べた。

「Jミルクがデジタルアーカイブ」――酪農乳業史をWEB上で公開 書籍、論文、引札など483点

2019-05-10 Jミルク酪農乳業史デジタルアーカイブ

Jミルクは明治以降の酪農乳業史の変遷がわかる貴重な史料をデジタル化し、自由に閲覧できるウェブサイト「Jミルク酪農乳業史デジタルアーカイブ」を18年11月から公開している。5月9日現在の掲載史料は483点。今後、充実を図るために史料を順次増やし、19年度末には1千点を目標に準備を進めている。酪農乳業における歴史研究に寄与するとともに、業界関係者や一般消費者にも日本の酪農・乳業への理解を深めてもらい、牛乳・乳製品の価値向上につなげることが目的。


検索できる史料は、書籍・論文関係445点、引札(チラシ)37点のほか、Jミルクが制作した展示用パネル「近代日本における酪農乳業の展開と発展」をデジタル化したもの1点を掲載。書籍関係では、明治・大正期に発行された関係書籍や乳業メーカー、酪農協、指定団体等の社史・記念誌のほか、酪農乳業に関する人物伝など。引札は明治・大正期のものを掲載している。


Jミルクはアーカイブの充実を図るため、未掲載の引札や明治・大正期の史料、農協関係の冊子や記念誌などの情報提供を呼びかけている。


また、6月10日に業務を開始する新事務所内には、所蔵している史料を閲覧できるスペースの確保も計画している。

「全国酪青女こどもギャラリー、フォトコンテスト作品募集中」――5月末締切り、表彰は7月に鹿児島で

2019-05-10

第48回全国酪農青年女性酪農発表大会(主催=全国酪農青年女性会議、全酪連)が7月に鹿児島市で開催するにあたり、事務局は現在、毎年恒例の併催イベント「第46回らくのうこどもギャラリー」と「第10回酪農いきいきフォトコンテスト」の作品を募集している。ともに自作で未発表の作品に限る。締切は5月31日で、提出は最寄りの事務局まで。


らくのうこどもギャラリーは、4歳から中学生までの酪農家の子弟や子どもを対象とし、酪農を中心とした題材の図面を募集するもの。子どもらしいダイナミックな絵から、非常に繊細で細やかなタッチのものなど、多様に描かれた酪農・乳牛の姿を表した作品が毎年集まる(昨年は833点)。特選受賞者は7月の全国大会に招待され、入賞者にも記念品が贈呈される。


一方、酪農いきいきフォトコンテストは「乳牛のいる風景」「酪農作業風景」をテーマに酪農家が撮影した写真を対象に募集するもの。応募作品は大会当日に会場内に掲載され、来場者の投票によって入賞が決まる。例年、いずれの作品とも非常に完成度が高く、会場ではそれぞれの「推し」をめぐって活発に意見を交わす来場者の姿も目立つ。


応募には、題名、住所、氏名、振り仮名に加え、こどもギャラリーは年齢と学校名、学年、保護者名。フォトコンテストでは所属組合名の記入が必要。なお、応募された作品は全酪連会報への掲載や各地の牛乳消費拡大運動等で活用される。

連絡先・MAP

一般社団法人 全国酪農協会
所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
     :03-3370-5488
(指導部・全酪新報編集部)
     :03-3370-7213
FAX番号 03-3370-3892
アクセス JR・都営大江戸線ともに
「代々木駅」から徒歩1分
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