全酪新報/2019年11月20日号

「2019年度上半期需給、都府県生産基盤に大きな課題」――生乳生産量、全体では増加傾向

2019-11-20

農水省牛乳乳製品課はこのほど、2019年度上半期(4~9月)の生乳需給動向を取りまとめた。水野秀信課長は専門紙に対し内容を説明した中で、都府県の生産動向について触れ、9月の台風15号の影響で若干の減少要因となったとしつつも、それ以上に生産基盤の弱体化が要因として大きく影響していると指摘。改めて都府県の生産基盤強化の重要性を強調した。上半期の生乳生産量は対前年比0.4%増。北海道の生産量が順調に伸長していることもあり、今後の生産量の見通しに関しても「若干上回るのではないか」との認識を示した。

上半期の生乳生産量は、全国ベースで368万8200㌧、対前年比0.4%増と堅調に推移。うち北海道は、昨夏の胆振東部地震の反動もあり、2.7%増の205万6700㌧で、都府県は163万1500㌧(2.4%減)。第2四半期では、北海道102万5千㌧(4.0%増)だった一方で、都府県77万7300㌧(2.5%減)と減少傾向が続いている。


今回の大型台風被害の影響について、水野課長は「千葉県の被害乳量が2千㌧弱と少なからぬ影響は出たが、やはり都府県基盤の弱体化の方が要因として大きい」とした上で、今後の生産量の見通しに関して「都府県は依然厳しい状況が続くが、北海道はかなり伸びると見ており、若干当初の予想より落ちるものの、全国的には対前年を上回るのではないか。いずれにしても都府県基盤の強化が重要だ」との認識を強調した。今年の畜産物価格等をめぐる議論でも都府県対策が焦点に上がるとの見解を示した。


他方で、消費面では飲用牛乳等は180万8600㌔㍑(0.2%増)とほぼ前年並み。乳飲料は60万2700㌔㍑で0.2%増、はっ酵乳は51万8800㌧(5.6%減)と18年度第2四半期から減少傾向で推移している。


乳製品の生産量は、脱粉・バター向け生乳が34万1700㌧と7%増加したこともあり、脱粉3万1100㌧(5.8%増)、バターは6万900㌧(5.8%増)とともに大きく増加した。


消費量を見ると、バターが好調な一方、脱粉は、はっ酵乳減退の影響から低調で推移。在庫量はバター2万7300㌧(9.0%増)、脱粉6万7900㌧(10.5%増)。脱粉は第1四半期と比べ、7万㌧台を切ったものの、いまだ高い水準にある。


また、現在議論が進む酪肉近の中で示された次期の生産目標数量最大800万㌧について、水野課長は「重く受け止めるが、意欲を持って高い数値を求めることは心強く、問題なく受け入れ可能という証でもあり、高く評価できる」とした上で「我々もそれに応えるべく、実現可能性も考慮した生産意欲を刺激する指針となる目標を検討していきたい」と述べた。

お断り=本記事は11月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「日米貿易協定による影響、乳製品は最大246億円減」――農水省が経済効果分析公表

2019-11-20

農水省は10月29日、このほど日米貿易協定が最終合意したことを受け、同協定が発効した場合の経済効果分析を公表。それによると、農林水産物の国内生産額が最大1100億円減少するとした。


一方、日本酪農への影響としては、乳製品の国内生産額が約161~246億円減少するとの試算を提示。脱粉・バター向けの生乳価格は4~7円低下し、チーズ向けの生乳価格に関しては、チェダー・ゴーダ等のハード系チーズは関税削減相当分、抱合せ対象(プロ原料用)のチーズは輸入品価格まで下落する。牛乳乳製品課は今回の協定発効によるチーズへの影響について「国産チーズ製造量が激減するとは考えていない」としている。


同影響試算はTPPと同様、現行の関税率10%以上かつ国内生産額10億円以上の品目計33品目(農畜産物17品目、林産物1品目、水産物13品目)を対象に実施。それぞれの品目の合意内容の最終年における生産額への影響を算出した。


試算では、品目ごとに輸入品と競合する部分、競合しない部分に二分した上で、①競合する部分は関税削減相当分の価格が低下する②競合しない部分は競合する部分の価格低下率(関税削減相当分÷国産品価格)の2分の1の価格が低下する――と見込んだ(=影響額の下限値)。また、品目によって、国内対策等の措置により、競合する部分・しない部分それぞれの価格低下を2分の1に抑えられると想定している(=同上限値)。


牛乳・乳製品の試算上では、チーズは約2倍、脱粉・バター等は2~3倍と内外の価格差が大きく、品質格差はほぼないことが前提。チーズは、チェダー・ゴーダ等のハード系に競合する国産チーズ向け生乳価格は関税削減相当分まで低下(㌔当たり6~11円)。抱合せ対象のプロセス原料用は輸入品価格までそれぞれ下落することになる。


他方で脱粉に関しては、輸入ホエイと競合する無~低脂肪のはっ酵乳(ヨーグルト)、色物乳飲料(コーヒー牛乳等)向けの国産脱粉(全体の約2割、25万㌧)の価格がホエイ輸入価格まで下落。それにより、脱粉・バター等向けの生乳価格全体が低下する。

「生産量減少に強い危機感」川村会長、「若い世代に明るい展望へ」砂金副会長――Jミルクが酪農乳業の将来へ提言

2019-11-20

Jミルクは10月23日、「わが国酪農乳業の将来戦略ビジョン」と題する提言を発表し、川村和夫会長(明治ホールディングス社長)と砂金甚太郎副会長(全酪連会長)が会見した。2030年度の生乳生産目標を775~800万㌧に設定したことについて、乳業者の立場から川村会長は「これ以上、生乳生産量が減少することへの強い危機感を持っている」と増産を求め、生産者団体の立場から砂金副会長は「酪農と乳業が初めて同じ土俵の中で将来ビジョンを作った。若い世代に明るい展望の中で頑張ってほしい」とコメントした。


川村会長は「昨年は北海道地震で道外移出ができず、今年は台風で供給そのものが途絶え、地域乳業がその影響を受けた」と述べた。


その上で「これ以上減少すると最需要期だけではなく、通年の問題になり、乳業は事業存続に危機感を持っている。生産者団体からは目標が高いという意見があったが、その目標に向かって努力しなければ現在の危機は乗り越えられないという危機感を共有して設定に至った」と説明した。


また、砂金副会長は「北海道の生産はまだ伸びる余地があるが、そこには限界があり、北海道の増産だけでは目標達成は難しい。生産者団体からは目標が高過ぎるという指摘があった。しかし、枠がなければ生産できない。かつて、生産したくても枠がなかった時代があった」と述べ、増産を呼び掛けた。

「酪農4団体が被災酪農家支援へ義援金贈呈」――全酪連、全酪協、ホル協、酪政連が台風被害等に対して

2019-11-20

全酪連、全国酪農協会、日本酪政連、日本ホルスタイン登録協会の4団体で構成する災害対策酪農団体協議会(事務局・全酪連)は11月19日、今年の夏から秋にかけて日本列島を襲来した台風15号や19号などの自然災害で被災した酪農家を支援するための義援金352万円を中央酪農会議に贈呈した。


4団体を代表し、全酪連の北池隆専務、全酪協の三国貢常務、ホル協の栗田純専務が中酪を訪問。迫田潔専務に贈呈した。中酪は今後、被災状況に応じた額を各指定団体に贈る。

「川瀬チーズ工房(北海道長万部町)が農水大臣賞」――ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト

2019-11-20

中央酪農会議は10月29~30日の2日間、都内で第12回ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト2019を開催。2日間にわたる審査の結果、川瀬チーズ工房(北海道長万部町)が出品したハード熟成6カ月未満部門の「フリル」が農林水産大臣賞に輝いた。コンテストは2年に1度の開催で、今回は過去最多となる86者が自慢のチーズ203品を出品した。


表彰式で川瀬チーズ工房の川瀬昭人さんは「実家が酪農家で、その生乳を使っていい出来上がりになったと思う。家族、関係者に支えられたおかげで受賞できた。これを機に今まで以上に努力したい」と受賞の喜びを語った。


主催者を代表して砂金甚太郎副会長(全酪連会長)は「チーズ製造者の多くは小規模な工房であり、酪農家自ら、あるいは工房と酪農家の結び付きの中で特色あるチーズが製造されている。コンテストがさらなる国産チーズの飛躍につながることを祈念している」と挨拶。また、来賓出席した伊東良孝農林水産副大臣は「省としても生産者を後押しすべく、スピード感を持って輸出施設の認定など環境整備を進める。コンテストが多大な成果を収め、国産ナチュラルチーズの益々の発展に寄与することを心より期待している」と祝辞を述べた。


なお、大臣賞のほか、農畜産業振興機構理事長賞に三良坂フロマージュ(広島県三次市)の「じゅくし柿」(シェーブル部門)、中央酪農会議会長賞にしあわせチーズ工房(北海道足寄町)の「茂喜登牛」(ウォッシュ部門)、審査員特別賞に㈲NEEDS(北海道幕別町)の「ラクレット」(ハード熟成3カ月未満部門)を選出した。

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