全酪新報/2020年3月20日号

「新型コロナ対策、脱粉等向けとの差額など支援」――学乳停止で用途変更に対応

2020-03-20

新型コロナウイルスの感染拡大に関する緊急対応策として、農水省は3月10日、学校給食用牛乳の供給停止に伴う需給緩和対策事業に約23億円を措置。全国的な小中学校の一斉休校による生産者・乳業者への影響をふまえ、学乳向けから乳価の低い脱粉・バター等向けへ用途変更した際の差額を支援(図)するほか、乳製品工場への出荷先変更に伴う広域輸送に要する掛増し経費、業務用脱粉等を飼料用へ用途変更する場合の経費等をそれぞれ定額で助成する。事業は3月中に要綱・要領を策定し、農畜産業振興機構を通じて最終的に生産者や乳業者へ交付する。

政府は3月10日に開いた会合で、緊急対応策第2弾として総額4308億円の財政措置等を実施した。このうち、学乳停止に対する同事業(22億9900万円)では、①学乳向けから脱粉等向けへの仕向け変更に伴う生産者対策②脱粉等の用途変更や学乳の処理に伴う乳業者対策――を柱に支援。予算規模としては、臨時休校となった約2週間分の学乳向け生乳が全量加工に回った場合を想定している。


①のメニューでは、学乳向けから脱粉等向けへ仕向けを変更する際、学乳向け乳価から脱粉等向け乳価と補給金等を引いた「差額」を支援。加えて、都府県においては、脱粉等に処理する主要な乳製品工場が点在していることから、域内輸送から出荷先を変更する際に伴う広域輸送の掛増し経費を補助する。


生産者対策とした①のメニューの狙いについて、牛乳乳製品課は「加工処理も円滑に行わなければならないなか、都府県では東北や関東、九州に乳製品工場が点在している。生乳の廃棄を防ぐためにも全国連の協調が必要で、円滑に処理していただくために支援する」と説明した。


一方、②のメニューでは、脱粉在庫が積み増し傾向にあることに加え、今夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて全国的に倉庫の確保が困難といった現状をふまえ、脱粉等へ円滑に用途変更を行えるよう措置した。


具体的には、業務用脱粉を飼料用に販売した際の価格差を支援するほか、在庫増加分の保管料等や輸送費を補助。学乳を製造する乳業に対し、キャンセル前に製造した学乳の処理に伴う掛増し経費も助成する。


①、②のメニューともに補助は定額で、同事業により、一時的な需給緩和の影響を受ける生産者・乳業者の負担を軽減する。


「できる対策果断に実行」江藤農相


江藤拓農相は3月17日、定例会見の中で、さらなる緊急対策に関する問いに対し「職員から挙げられたアイデアの中から、できるものは果断に実行する」と答えた。

お断り=本記事は3月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「新畜舎基準検討委員会、建築確認の面積要件緩和を」――コスト減へ生産者委員求める

2020-03-20

農水省は3月3日、「新たな畜舎建築基準等のあり方に関する検討委員会」の第2回会合を開き、基準緩和の方向性について議論した。会合では、農水省が畜産振興や経営コストの低減に向けた新制度の考え方を提示した。生産者委員は家族酪農の維持・発展に向け、建築確認が必要な面積要件を「木造1千平方㍍超」に緩和や、資材コスト削減等を求めた一方、建築関係委員からは建設労働者の減少に加え、安全面の観点からこれ以上の直接的な建設コストの削減は困難との声が上がった。検討会は今後、手続きの簡素化や延床面積基準の設定、対象区域等について検討を重ねていく。


会合で、砂金甚太郎委員(全酪連会長)は、酪農を継続する上で畜舎の建設コストや飼料費等のコストが大きな課題となる点を指摘。搾乳ロボットの導入を検討している農家も増えてきたと説明した上で「最近は畜舎の資材コストが5倍も6倍もかかっていて大変厳しい。(面積要件等を)緩和すれば、まだまだ後継者も出てくるのではないか」と述べた。


また、本川和幸委員(㈲本川牧場社長)は基準を緩和する場合の畜舎の耐震性能について触れ、安全面での限界値を見据えた上で設定する必要があるとの考えを強調。木造牛舎における面積要件の緩和に対しては「1千平方㍍以上とすることには大賛成。乳牛は通路を含めて、1頭当たりの面積を15平方㍍で計算するため、家族経営の70~80頭を飼養する牧場にとって1つの閾値になる。1千平方㍍を超える基準の議論よりも、80頭をしっかり飼えるかがポイント」と述べた。


他方で、建設委員からは「(耐震性もふまえ)大きな柱なども論理があってのこと。現行基準でもかなり落としている。間口の問題や棟別基準を外すなど手続き論は色々あるが、これ以上下げるのは困難」との意見に加え、畜種や地域によって緩和の条件が異なること、労働者不足を背景にコスト増となっているとの説明もあった。

「Jミルク、直近需要に大きな混乱なし」――牛乳類が堅調、今後は注視必要

2020-03-20

Jミルクは3月12日、直近の牛乳類の販売状況を発信。それによると、小中学校の一斉休校により学校給食用牛乳の供給が休止し、需給の混乱が懸念されているが、2月最終週から3月第1週は牛乳類の販売が堅調なことと関係者の需給調整努力により、現在のところ大きな混乱は生じていない。しかし、Jミルクは3月の学校給食用牛乳の生産量を2万2711㌔㍑と見込んでおり、その分が影響を受けるため、今後の消費動向に注視が必要としている。


生乳生産量の動向をみると、北海道は3%ほど増加と堅調な一方、都府県は1.5%程度減少。都府県への道外移出は、1月から2月上旬までは前年を上回っていたが、2月下旬は2割程度減少した。


その後、全国一斉の臨時休校の影響でキャンセルが発生したことから、3月は3~4割ほど減少する見込み。


一方、牛乳類の販売状況では、2月24日~3月1日は10%増、3月2日~8日は6.4%増と大幅に伸び、休校や在宅勤務などの影響と考えられる家庭内需要によって堅調に推移している。


そうした状況から、現在は大きな混乱が生じていないが、今後の消費動向は不透明なことから、Jミルクは「引き続き状況を注視し、業界全体で一致協力して対応することが重要」と注意を喚起している。

「大槻和夫さんを偲んで-三つの思い出」――筧晴夫茨城県酪連 代表理事専務

2020-03-20

「はい。ただ今の説明の中で、クーラーステーション(CS)の再編を実施し、最終的には県内3CSを目指す前段として、まずは4CSに着手したいとの説明であったが、いつの段階で3CSにするのかが見えない。最初から3CSという完成形を目指すべきではないか」。大槻和夫さんは、茨城県酪連が2003年(平成15年)12月に開いた第1回CS再編協議会の冒頭、挙手して唐突にそう発言されました。


大槻さんは1992年(平成4年)頃に県乳牛改良委員会の委員長を務めていたので、当時その事務局の一人だった私は、割と長いお付き合いをさせて頂いていました。そんな中で、出会ってから11年後の会議の冒頭発言は、私の胸に一番印象深い言葉として残っています。


その半年後、大槻さんは本会の代表理事会長に推戴されました。ある日会長室に呼ばれたので行ってみると「筧さぁ、俺が協議会で発言したの覚えているか?当初から3CS体制の企画書を作ってくれよな」とおっしゃいました。


それに対し、私は「いや、CSはその組合のシンボルでもあり、現在10カ所あるCSを一気に3カ所に統合するのは、相当の抵抗が予想されます」と答えました。


しかし、大槻さんは「後になったらなかなかできるものではない。やるときにやらないとダメなんだ」と強くおっしゃられ、その考え方を基に計画を進めることになりました。


二つ目の想い出は、3CSへの統廃合を進めていた中で、県央CSという国内トップクラスの300㌧規模の施設が2週間後に引き渡される予定だった08年(平成20年)3月3日のことです。その日の晩、設計監理会社から元請けの建設会社が夜逃げしたとの一報が入りました。当初は4月1日に稼働する予定でしたが、残りの工事やらなんやらで7月1日に遅れてしまったのです。


この時、大槻さんは私に「筧さぁ、国内トップクラスのCSが元請けの夜逃げというミソが付いちゃったんだから、企画担当者のお前が所長として立ち上げに行ってくれないか。やってくれる者がいないから、お前がやらないとな」とおっしゃいました。「あぁ、やっぱり私ですか…」と感じたことを覚えています。


三つ目の想い出は、今年の1月29日のことです。その日は委員長を務める酪政連の三役会議がありました。この時はすでに体調を崩されて入院しており、一時退院している間に私の運転で代々木の酪農会館に行きました。その帰り道、利根川を渡って守谷SAで休憩を取る直前、大槻さんは「なぁ筧、またこうしてお前の運転であっちこっち行けると良いなぁ」と突然ぽつりとおっしゃいました。その時私は、余りに唐突な言葉に「行けるに決まっているじゃないですか!」としか言えず、その後2~3分は沈黙が続いてしまったことを覚えています。


思い起こせば、東日本大震災発生後、当時はJR常磐線が突然運休したり、ダイヤどおりに運行されなかったので、関東生乳販連の理事会に出席する際は、大槻さんと当時の市村章常務と3人で私が運転する車に乗って湯島の夏目ビルに何度か通いました。また、ゴルフが大好きな方でしたので、よく私の運転で軽井沢や静岡、蔵王へと遠征していました。そんなことがあったので、ふと想い出されたのかなぁと今になればそう感じております。


大槻さんは私にとっても皆さんにとっても多くのことを教えてくれたり、楽しいことを体験させてくれた方でした。100人の方と話せば、100の想い出を浮かばせてくれる方でした。どなたとも分け隔てなく談笑できる才能、カラオケでどんな曲をリクエストしてもそれなりに歌えてしまう特技の持ち主でした。もう少し遊びたかったです。


近年は「中小規模な経営が日本の酪農を支えているんだ。だからこそ、そこに大きな支援をしていかないと産業としての酪農は衰退してしまう。そのためには、ヘルパー事業の環境整備が一番重要なんだ」というのが口癖でしたね。


日中は仕事で飛び回り、夜はマイクを持って歌って踊って体力が有り余っていたような大槻さん。体調を崩してからわずか50日あまりであっという間に私たちの前から忽然と姿を消してしまった大槻さん。貴方のことは決して忘れませんし、貴方の想いは我々の心の中に深く深く刻み込まれています。ここに故人のご冥福を祈りながら、30数年の想い出を綴らさせて頂きました。

「中酪がHPに牛乳飲用訴求バナー」――学乳停止で消費拡大呼びかけ

2020-03-20

中央酪農会議は3月6日より、新型コロナウイルスの感染拡大による学校給食用牛乳の停止に伴い、牛乳飲用を訴求するためのPRバナー「酪農家を応援してください」をホームページに掲載している(本会ホームページにも掲載)。


PRバナーでは、主に消費者に対して学校給食用牛乳の製造が停止した状況下でも、生乳生産を急には止められない酪農の特性を伝えている。その上で、牛乳を飲んでもらうことが酪農家を支えることになるとして、最後に「今こそ、日本の酪農にエールを。」という言葉で結んでいる。

酪農会館建設の経過
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