全酪新報/2020年5月1日号

「中酪、牛乳消費を支援」――指定団体に5千万円助成、福祉施設等に提供

2020-05-01

新型コロナの影響を受けた業務用需要の大幅な落ち込みにより処理能力超過が懸念されるなか、牛乳消費の支援に向けて、中央酪農会議では指定団体が福祉施設などへ牛乳等の無償提供を行う取組に対して助成する需給緩和対策を決定した。国も4月21日には牛乳・乳製品の家庭消費促進を呼びかけるなど生乳廃棄の回避に向けた取組が進められている。

4月20日に農水省が開いた記者説明会では、水野秀信牛乳乳製品課長が現下の新型コロナウイルス感染拡大による生乳需給への影響と今後の対応について説明。それによると、新型コロナに対する4月の緊急事態宣言、それに伴う休業要請を境に、大手コーヒーチェーンやお土産・菓子等の業務用需要が大きく減少。乳業への聞き取り調査では、3月の業務用需要が「2割減」に対し、4月の業務用需要は「5~7割減」とさらに落ち込むと見ている。


一方、今後の対応として、業務用減少分や加工工場の製造能力の限界をふまえ、農水省としては生乳の余剰分を家庭消費増により補うことで生乳廃棄の発生を防ぎたい考えで、合わせてバター等の製造により需給調整に協力する乳業メーカーへの支援策も講じる。


こうしたなか、中酪では21日までに「牛乳等緊急対策事業」の実施を決定。指定団体等が牛乳または、はっ酵乳(生乳100%)を買い上げ、通常は牛乳等を提供・販売していない医療施設や福祉施設、保育園などへの無償提供を行う際、そこに係る経費を助成する。事業の実施期間は原則5月末まで。予算は5千万円で、20年度の酪農・国産牛乳乳製品理解促進広報事業費から支出する方針としている。

お断り=本記事は5月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「飼料用トウモロコシ、現状は輸入に支障なし」――農水省 物流への影響引き続き注視

2020-05-01

農水省は4月17日、感染が拡大する新型コロナによる穀物等の輸入への影響と現状について、記者向けWeb説明会を実施した。飼料用を含むトウモロコシ等の穀物について、農水省は「現状は穀物の国際価格も落ち着き、日本への輸入に支障はない」とした上で、湾口作業など物流への影響をふまえ、引き続き動向を注視していく認識を示した。


説明会で農水省は、穀物等の輸出国である米国やブラジルにおいても、供給量は十分で物流も機能していると報告。国内商社との情報交換でも「現時点でトウモロコシなど物流の遅延等明確な影響はない」「不作はなく国際価格も落ち着いた状況のため、物流が滞らない限り価格は急騰しない」との声が上がっていると説明した。


一方で、港湾の労働者や輸入船の船員が感染した場合の物流の停滞、入港の遅れなどのリスクもあることから、商社では現在、各社の判断で緊急時の在庫の積み増しや輸入の代替先について検討を進めていることを明らかにした。

「農水省、プラスワンプロジェクト実施中」――牛乳乳製品の消費を促進

2020-05-01

農水省は4月21日より、新型コロナウイルス感染拡大に伴う牛乳・乳製品需要の減少に歯止めをかけるべく、牛乳・乳製品の消費促進を呼びかける「プラスワンプロジェクト」を実施中。家庭で普段より1本多く牛乳やヨーグルトの利用を促すことで、生乳廃棄を回避、生産者を支えることが狙い。江藤拓農相は同日の定例会見の中で消費促進に向け「生産者を守るためにも、いつもより1本多く消費してほしい」と呼びかけた。


新型コロナによる需給への影響について江藤農相は、「関係者一丸となって脱粉等へ回すことで乗り越えてきたが、今回の緊急事態宣言と全国への対象地域の拡大に加え、6月の生産ピークを迎えることから、生乳が行き場を失う可能性が出てきた」と懸念を示した上で「生産基盤を毀損することなくこの難局を乗り切るためにも、消費者の皆様には牛乳やヨーグルト、乳製品を普段より1本多く消費していただきたい」と消費拡大への協力を求めた。


また同月20日には、農水省の公式YouTubeチャンネル「maffchannel」で牛乳乳製品課職員が牛の着ぐるみを着て消費者に今回の同取り組みの意義をPRする動画を公開している。


このほか、日本乳業協会(西尾啓二会長)は4月23日、同プロジェクトのさらなる周知と牛乳・乳製品の消費促進を目的に、店頭用のPOPを作製。乳業メーカーなど会員乳業者へ配布し、スーパー等での活用の拡大を呼び掛けた。同協会は「ぜひスーパーなどで活用していただき、今の状況や今回の取り組みを理解いただき、たくさん購入してもらいたい」としている。

「農水省、新たに牛乳自販機設置」――畜産部フロアに「普段より多く飲んで」

2020-05-01

農水省は4月1日、生産局畜産部のフロア(2階)中央展示コーナー付近に牛乳自動販売機を設置した。新型コロナ拡大で学校給食が中止となるなど牛乳需要が不安定になっており、職場をあげて牛乳消費を応援しようと年度末まで置かれる。商品は当面LL牛乳200㍉㍑。地下に売店はあるが、より近くで買えるようになった。畜産部牛乳乳製品課の大平真紀課長補佐は「ここは生産局長室や畜産部長室から近く酪農・畜産関係者もよく通る。職員のみでなく(事態が落ち着けば)外部の方も来省の際に是非利用してほしい」と話した。なお商品構成は趣旨を踏まえて今後検討する。

「飲用もう一杯よびかけ」農水省・水野秀信牛乳乳製品課長――業務用減退分を家庭消費で少しでも代替

2020-05-01

コロナ禍による緊急事態宣言以降、業務用需要が大きく減退している問題に対し、4月20日に行われた記者説明会の中で農水省の水野秀信牛乳乳製品課長は「今は家庭用の牛乳消費は堅調だが、さらにもう一杯飲んでいただければ業務用が減少している分の助けになる。出来るだけ家庭で協力してほしい」として、家庭での飲用牛乳の一層の利用拡大に理解を求めた。


同課によると、18歳未満の子どもが週1回コップ一杯分(200㍉㍑)牛乳を飲む量を増やした場合、学校給食牛乳1週間分(9500㌧)の約4割に相当するという。農水省としても21日より国産牛乳・乳製品の消費促進を呼びかける運動を展開中で、水野課長は「大変厳しい状況であることを理解いただき、家庭内でそういう認識を共有してもらうことで役に立てれば」と述べた。

「岩竹重城氏に旭日双光章、石川正美氏に黄綬褒章」――20年春の勲章・褒章

2020-05-01

農水省は4月29日に20年春の勲章・褒章受章者を発令。酪農関係からは岩竹重城氏(73歳、現酪農業、前広島県酪農業協同組合組合長、広島県庄原市)が旭日双光章を受章。さらに、石川正美氏(65歳、現酪農業、現栃木県酪農業協同組合組合長、栃木県日光市)、人見英作氏(71歳、現酪農業、京都府亀岡市)が黄綬褒章を受章した。なお、伝達式については、現在の新型コロナ感染拡大をふまえ、今回は中止された。

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