全酪新報/2020年6月10日号

「2020年度生乳生産量、1.4%増産見込む」Jミルク見通し――7~9月道外移出「各月6万㌧超、夏休み短縮で需要増加」

2020-06-10

Jミルクは5月27日に2020年度の需給見通しを公表した。全国の生乳生産量は1月末の見通しより若干下方修正したものの、1.4%の増産を見込んでいる。新型コロナの影響により小中学校等で夏休みが短縮されると、7~9月の道外移出乳は「各月6万㌧超」との予測であり、前年度を約2割上回る生乳が必要になる。

2020年度の生乳生産量は、北海道が422万3千㌧、3.2%増と前年度を上回る一方、都府県は324万1千㌧、0.9%減となり、全国の生産量は1.4%増の746万3千㌧と予測した。前回見通しよりも北海道・都府県ともに下方修正となった影響で増加幅は減少したが、2年連続の増産を見込んでいる。


上期の用途別処理量では、乳製品向は1.8%増の161万2千㌧。うち脱脂粉乳・バター向は、新型コロナの影響を受けた第1四半期の大幅増加から12.2%増の85万1千㌧。生クリーム向も同様に、コロナによる業務用需要の減退を受け、11.5%減の55万3千㌧と予測している。


一方、飲用等向は1.0%増の210万3千㌧。コロナにより5月までは減少を見込むが、6月以降は学校再開と夏休み中の授業実施による給食の提供も想定されるため、7~8月は約7%程度前年を上回る見通し。


なお、牛乳の生産量は160万4千㌔㍑と前年並みで、うち学乳向けは13万2千㌔㍑(17.6%減)。5月までは前年を大きく下回るが、夏休み期間の短縮から7~8月は大きく増加する。


一方で、上期の都府県の生乳需給について見ると、生乳供給量161万2千㌧(0.6%減)に対し、飲用向け需要量は180万3千㌧(0.6%増)と供給を上回るため、生乳が不足する。そのため、北海道からの上期の移入量は8.5%増の31万㌧を見込む。


緊急事態宣言下の4~5月の道外移出量は1~2割程度減少し、第1四半期では11万4千㌧(6.4%減)の見込みだが、夏休み期間の授業実施も想定されることから、7月は6万6千㌧(34.4%増)、8月は6万4千㌧(20.5%増)と大きく増加する見通し。結果、第2四半期は各月で「6万㌧」を超える大台となり、7~9月で前年度を約2割上回る19万6千㌧(19.6%増)の生乳が必要となる。


今後の需給動向について、Jミルクの前田浩史専務は「これまで7~8月に北海道から輸送能力の限界である6~7万㌧弱の量を運んできた経験はないが、現時点では可能と考えており、強いひっ迫も起こらないとみている」と認識を示した上で「非常時に大きな不足が出ないよう、従来以上に関係者間で協力し、業界として安定的な輸送確保に努力していきたい」と述べた。

お断り=本記事は6月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「2020年度は増産スタート、牛乳統計4月」――はっ酵乳好調、牛乳は3.5%減

2020-06-10

5月25日に公表された4月分の牛乳乳製品統計によると、生乳生産量は63万4023㌧で前年同月比1.9%増となった。8カ月連続で前年度を上回るとともに、20年度の生産は増産でスタートした。用途別では、はっ酵乳は好調を維持したが、牛乳や乳飲料、加工乳・成分調整牛乳は下回った。


牛乳は24万3968㌔㍑、3.5%減で、加工乳・成分調整牛乳は3万1182㌔㍑、7.3%減、乳飲料は9万1361㌔㍑、0.2%減。一方、はっ酵乳は9万3926㌔㍑、5.2%増と堅調が続いている。


また、脱粉は1万4118㌧で15.5%、バターは8472㌧で39.5%とそれぞれ大幅増加した。4月末在庫量は脱粉が8万546㌧で17.9%増、バターが3万2447㌧で37.4%増と大きく積みあがっている。

「4月下旬から5月上旬、家庭用バター販売個数は約6割増加」――一時欠品発生も徐々に改善へ

2020-06-10

新型コロナウイルスに伴う外出自粛等による家庭内消費の好調を背景に、3~5月の家庭用バターの生産・消費量は大きく増加。農水省が5月27日に示したデータによると、4月下旬~5月上旬の家庭用バターの販売個数は約6割増と非常に好調で、5月第1週には店頭の欠品率は5割まで拡大したものの、増産努力や業務用ポンドバターの販売増などが奏功し、5月3週には32%まで低下。欠品は徐々に改善に向かっている。


同日に農畜産業振興機構が示したデータによると、緊急事態宣言発出後の4月の乳業13社のバター生産量は7941㌧(前年同月比32.4%増)で、うち家庭用は4割増の1822㌧。バラバターは国の事業等もあり約6割増加した。


他方で同月の家庭用消費は1839㌧(28.9%増)と好調だった一方、バラは24.8%減、ポンド・シート等は33.4%減と業務用は大幅減。全体の消費量は4625㌧(14.3%減)と大きく低下した。


また、農水省が示した資料によると、店頭の4月下旬から5月上旬のバターの販売本数は6割増。想定以上の好調な消費により、5月第1週目の欠品率は46%(50店舗対象)と2店に1店の比率で欠品が発生した。


その後、乳業の懸命な増産をはじめ、業務用ポンドバターのネット通販や店頭販売により、5月第1週には46%あった欠品率は、5月第2週は42%、第3週には32%と徐々に改善している。


Jミルクの前田浩史専務も、同説明会の中で欠品状況について徐々に改善するとの見方を示した上で「問題は業務用。この過剰な在庫を減らすために、国の事業を活用しつつ、新たな需要創出に向けた取り組みを行っていく」と述べた。

「牛乳の日、酪農家が感謝のメッセージ」――交牧連会員などがSNSで発信

2020-06-10

6月1日の「牛乳の日」を迎え、全国各地の酪農家がSNS等を活用して感謝のメッセージを発信した。新型コロナにより酪農乳業界も深刻な影響を受けるなか、応援してくれる消費者をはじめ、日々の生産を支えている乳業メーカーや運送業者等の酪農に携わる関係者へ『ありがとう』を伝えるもの。


5月20日には地域交流牧場全国連絡会も会員酪農家へ賛同を呼びかけ、それぞれが感謝の思いにあふれた写真や言葉をSNS上へ投稿、共有した。

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