全酪新報/2021年4月20日号
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「Jミルク特別対策、後継者の早期継承支援へ新メニュー追加」――1牧場に最大50万円、予算1億円

2021-04-20

Jミルクが現在5カ年事業として実施中の酪農乳業産業基盤強化特別対策事業では、酪農後継者や新規就農者等の「早期継承」を支援するメニューを新設した。家族経営の牧場を継承する39歳以下の後継者や第三者継承予定者等のいる牧場に対し、1牧場当たり50万円以内、40~49歳の後継者のいる牧場へ20万円以内を助成する。Jミルクは「メニューを活用して早期継承を図ってもらい、地域の家族経営の存続と基盤強化の推進に繋げてほしい」としている。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は4月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「県内の全酪農家が加入、三重県酪農農業協同組合を設立」――近藤貞和氏が代表理事組合長、4月1日から業務

2021-04-20

三重県内の3専門農協では、かねてより組織整備に向けた検討を進めてきたが、このほど、県内全ての酪農家が加入する三重県酪農農業協同組合(近藤貞和代表理事組合長)が設立した。4月1日より業務を開始している。


新組合の設立は3月22日。各専門農協内での承認とともに、昨年2月には生産者全体会議の承認を経た上で、同年3月に三重県酪農組織整備準備委員会を設立した。昨年10月に発起人会を立ち上げた後に、12月には創立総会を開催し、そこで定款等についても承認を受けた。


組織整備を進めてきたのは、四日市酪農業協同組合、南勢酪農業協同組合、大内山酪農農業協同組合の3専門農協。専門農協を始め、総合農協に所属している個々の酪農家が新組合に加入する形となる。今年開催の総会では、それぞれの専門農協及び総合農協が三重県酪農業協同組合連合会の会員となっていることから、脱退決議を行う。


なお、新組合の本所住所については、三重県酪連の現在地(三重県松阪市嬉野下之庄町753番地)と同じ。

「ミルクジャパンがツイッター開設」――発信通じ理解醸成

2021-04-20

中央酪農会議が展開するMILK JAPANは3月22日より、公式ツイッター(@milk_japan2021)を開設した。ミルクジャパンのコンテンツをはじめ、牛乳に関するお役立ち情報、酪農や牧場に関する話題や牛乳・乳製品を利用した料理レシピ紹介などを平日に毎日アップ。情報発信を通じて理解醸成を図っている。

「生乳生産量を考える」その3『除籍淘汰』――畜産・飼料調査所「御影庵」主宰・阿部 亮

2021-04-20

今回は経産牛の除籍(淘汰)による損失について家畜改良事業団の「乳用牛群検定成績のまとめ」を基礎として考えるが、その前に2020年の畜産統計から牛群の構成を見ておこう。総頭数は135万2千頭だが、経産牛の頭数は83万8900頭で62.0%。経産牛の予備群である子畜の総数は45万2千頭で、その72%は北海道にいる。都府県への乳牛の供給基地としての役割を担う北海道の性格がここに表れている。


子畜の数が多いことから総頭数に占める経産牛の比率は北海道が56.0%と都府県の71.3%よりも低い値となっている。この比率が80%以上と高いのは三重県、大阪府、奈良県、和歌山県だ。


4月20日号記事4-表1

本題に入る。表には2013年度、16年度、18年度の乳器障害、繁殖障害、疾病、死亡による除籍の数を示した。毎年、9万5千~10万頭強の除籍数、淘汰だ。検定牛に対しての比率は3年間で18.1~18.9%とほぼ一定。全ての経産牛が検定に参加しているわけではないので、仮に検定不参加の経産牛も同じ比率で除籍されていたとすると、18年度の4項目による全国の除籍数は約15万2千頭と推測される。


除籍の4割が若い牛 経営のおおきな損失に


また、表にあるように検定農家1戸当たりの除籍数は11.5~12.3頭。この数が戦線から離脱している。大きな損失だ。そして、この損失の40~42%が5年未満の若い牛に生じているのは実にもったいないことだ。除籍の種類間の数では死亡以外では3年間で飛び抜けて大きいというものはなく、18年度では死亡が31.0%、乳器障害22.6%、繁殖障害が22.1%、疾病が24.3%。そして疾病の種類と数を見ると、最も多いのが肢蹄故障で52.7%、次が起立不能で30.5%、消化器病が16.0%。若い牛での除籍が多いことによって検定参加経産牛の産次が短くなっている。


18年度で見ると、1産が32%、2産が26%、3産が19%、4産が12%、5産が6%、6産が3%、7産が1.3%、8産以上は0.7%しかいない。長命連産ではない、これが大きな課題だ。人情として「もし、この損失を1割でも減らすことができたら」と考えてしまう。「たら、れば」で計算すると、1割の改善で18年度では経産牛は約1万5千頭のプラスになっていたはず。「除籍数を減らすということは規模の拡大を意識せずに実行することだ」と考えてはいかがだろうか。


では、どうやってそれを実現するか。除籍産次は02年の4.2産が12年には3.5産、18年には3.3産と経年的に短くなっており、除籍割合が18%、しかも若い牛にそれが多いという日本酪農の構造的な問題として捉えなければならず、危機意識を持たねばならない。構造的な問題なので容易ではないが、改善しなければならない。


課題解決のヒント


私はこの問題の解決のために農林水産省が15年に立ち上げた乳用牛ベストパフォーマンス実現会議の座長を務めたが、16年、18年もそれ以前と事態は変わってはいないので考え込んでいた。今、この問題には3つの方向からそれぞれ集中して産官学が取り組まねばならないと考えている。3つの方向とは、「酪農家の意識と注意力・観察力の向上」「地域の経営・技術支援」「研究の進化」だ。除籍の対象項目として繁殖障害と疾病を念頭に置く。


一つ目の「酪農家の意識と注意力・観察力の向上」。酪農家の皆さんの中には「綿密なタイプの人、そうではない人」「経営や技術の向上に対する意欲が高い人、中くらいの人、低い人」、「コスト意識の高い人とそうでもない人」が混在していると思う。先ず、自分を見つめ意識を高揚させることが最初で、次に、その意識の下で乳牛の健康状態や粗飼料の質と飼料摂取状況や反芻行動を観察。発情の観察を定期・定時的に行いながら空胎日数の記録を行うなど、障害に関する点検を網羅的に実施し、地域の技術支援者への相談・依頼事項を整理することから全てが始まる。


二つ目がそれを受けての「地域の経営・技術支援」。支援者としては農業団体の技術者、農業改良普及センター、共済組合家畜診療所、開業獣医師、飼料会社、酪農コンサルタント、授精師が中心になるだろう。


一つの事例を紹介する。私は15年の夏にあるチーム(北海道)への取材を行った。チームの構成は農業改良普及センター、共済組合家畜診療所、飼料会社の3者。13年11月から15年3月までの1年5カ月、月に一度の巡回指導を行った。


指導が始まる前の対象農家の状況は「12年の1カ月当たりの家畜診療所による診療回数は3.2回であり、周産期病罹患牛の割合は48.7%と高く、その中では乳熱が分娩牛の25.6%と最も多かった。この乳熱に付随してケトーシス、第4胃変位、産褥熱、胎盤停滞といった周産期病に悩まされていた。さらに、周産期病の他にも飛節の腫れ、蹄低潰瘍のような肢の病気も多かった」という状態だった。


支援前(12年)と支援後(14年)を比べるとどう変わったかというと、周産期病罹患牛は48.7%から29.0%、乳熱罹患牛は25.6%から7.2%、月の診療回数は3.2回が2.1回と頻度は低下。初回授精日数は74日から62日、分娩間隔は465日が376日へと短くなっており、大きな成果が現れている。農場主は蹄の病気も減り、疾病治療の経済的な負担も少なくなるということで、精神的にも肉体的にも余裕ができて牛舎に行くことが楽しくなったという。


もう一つは「研究の進化」。試験場・研究所と大学の仕事です。繁殖と疾病の課題では「乳量の増加が繁殖成績に及ぼす影響」が一つの大きなテーマになっているが、ここには「泌乳初期の負のエネルギーバランス」「負のエネルギーバランスを解消するための穀類の多給と第1胃発酵の乱れ」「繁殖期における適切なインスリン/グルカゴン比の維持」「ボディコンデションの低下、ケトン体の増加と卵母細胞の品質」「乾物摂取量の増加と血中のエストロジェン濃度の減少と発情微弱化の関係」等々の課題がある。


こういった生体内の代謝は、一つ一つが別々に生じているのではなく、相互に関連したネットワークとして調節されなければ疾病に、そして除籍に繋がってしまう。そのため、除籍は一つの症候群(シンドローム)なのだ。シンドロームの何処かには「根っこ」があり、それが拡散して除籍という結果になっていると思う。試験研究にはこの症候群の全容を解明して下さることを期待している。除籍による経産牛損失の防止にはこの3つのアプローチしかないのではないかと考えている。


(20日号に月1回掲載)

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